2026/5/1
ある高校で「PTA非加入届」が配布されました。


漫才のネタですか? というのが私の感想です。
入会する場合には、本人の意思で「入会届」を提出するのが一般常識です。
でも、入会する意思が無いにも関わらず「非加入届」を提出することは、日本の一般社会の中ではありえません。
ところがです。
この「非加入届」について
「何がダメなの?」
という疑問を投げかけた御仁がいらっしゃいます。

https://x.com/maru_ko_enkai/status/2046921746713100548

何がダメなのか、私の考えを述べてみます。
なお、「3.PTA会費は一度集金されたのち返金されます」については、次の記事に書きました。
この「非加入届」は次の問題があります。
PTAは法律に基づく組織ではなく、任意団体です。
本来、任意団体に加入する場合は、加入したい人が「入会届」を出すべきです。
これが一般的なルールです。
ところが今回のケースでは、入会しない人に「非加入届」を提出させるという、通常とは逆の手続きが求められています。
これは制度としておかしなことです。

非会員とPTAとは無関係です。
加入する意思の無い者の個人情報を収集することに正当な理由はありません。

非加入届の内容を見ると、
「PTAに入らないなら、子どもが受けられないサービスがあります」
という趣旨が読み取れます。
つまり、保護者に対して
「子どもが不利益を受けても構いません」
という承諾を求めているのです。
この「非加入届」の趣旨は「不利益を承諾せよ」です。
子どもへの差別的扱いを、保護者が承諾する内容になっています。
保護者の立場として、このような内容の文書に署名することはできません。

PTAの立場としては、保護者から「差別的扱いをしても良い」という趣旨の文書を受け取ることになるため、この文書を錦の御旗にして、「正々堂々と差別的扱いができる」と思い込んでいるようです。
錦の御旗(ニシキのミハタ)とは
自分の行為・主張を正当化するための大義名分
PTAは民間団体ですが、学校という公教育の場で活動しています。
このため、公教育の原則(全ての子どもを平等に扱う)に従わねばなりません。
保護者の思想や選択を、子どもの不利益(記念品なし等)にすり替えてはいけません。そのすり替えは、子どもへの差別的扱いになります。

学校側も、学校現場で、このような差別的取り扱いがなされることに黙っていてはいけません。
何故、「非加入届」という発想ができてしまうのでしょうか。
何故、「何がダメなのか?」という疑問を持てるのでしょうか。
「非加入届」を設けたPTAの発想の仕方は興味深いです。
残念なことに、私には、あっち側の発想の仕方が理解できません。
理解しようとして当事者の記事を読むのですけど、理解できません。
私から見れば、漫才で言うところのボケの発想なのです。
なので、AIを使って「あっち側の主張」を調べました。
AIの良い点は、論理部分だけを抽出してくれることです。
あっち側の人間が直接書いた文章を読んでも、論理部分がほとんど無く、「要するに、何を言いたいねん」「何のために、やってんねん」というツッコミを入れたくなり、残念な気持ちになります。

AIが出力した、あっち側の主張は次のとおりです。
「またモンスターペアレントか」
「恩恵だけ欲しい親がいる」
「自分は我慢して加入しているのに非加入はズルい」

このような心理は社会関係の中で生じてきます。
社会関係問題を解決するには、制度設計を学習し見直す必要があります。
残念なことに、PTAの役員はなり手不足で、役員をくじ引きで決めるようです。
目的意識を持たずに役員(リーダー)になるのですから、制度を変更することはないでしょう。「何のために各種行事をやっているのか」という問題意識を持つことはないでしょう。
その結果、教育とは関係の無い、横道にズレた行事を営むことになります。例えば、あるPTAでは、満期で辞めた役員に花束を贈呈するそうです。

PTA自体が自己目的化しているように感じます。
任意団体であるPTAが、学校の正規業務と混ざり、入会しないと不利益になる構造があります。
このため、混ざらないように制度設計する必要があります。
制度設計では、子どもに差別が無いように配慮する必要があります。
子ども個人に記念品を配付する場合、PTAに入会していない保護者の子どもの扱いをどうすれば良いのか、という疑義が生じます。
保護者が加入しないと判断したのに、その判断が子どもへの処遇に悪く影響するのであれば、子どもを差別したことになります。
この場合、差別を企画し実行するのはPTAです。
学校もそれを傍観したということです。

「保護者の選択」と「子どもの扱い」とは分けて考えた方が良いでしょう。
GoogleのAIであるGeminiに聞いたところ、次の回答をしました。
もし、この書類を出すか迷われているのであれば、特にお子さんが「周囲と同じものがもらえない」ことに対してどう感じるかを、事前に対話しておくのが一番のポイントかもしれません。
子どもは「周囲と同じものが欲しい」と回答するかもしれません。
そうなれば、保護者は不本意ながらPTAに加入せざるを得ません。
これは、自由な選択が実質的に保障されていない状態です。
PTAは、子どもを人質にとって、PTA側に有利になるよう交渉を進めているのです。Geminiの回答が良いとは言えません。
幸いにも公立高校なので、たぶん県立なので、県庁の教育委員会に訴えれば良いでしょう。そんなことをしても効果は無いかもしれませんが、やれることはやっておく、という姿勢(権利の行使)が大切なのです。
民主主義の本質は、構成員による自由な意志表明と対話ができること、です。
PTAは、子どもの健全な育成を図ることを目的とし、大人自身が民主的な合意形成や組織運営を学ぶ社会教育の場になるハズでした。
しかしながら、実際のPTAは、
といった、民主主義とは逆の構造があります。これは民主主義ではなく動員です。
「一人に一個の役職」に代表される形式的な公平性の追求が、個人の事情や多様な参画形態を否定し、PTAへの不満と抑圧を生んでいます。
「公平」という名の不自由です。
まるで漫才のネタのような営みをPTAはやらかしています。
イベントをこなすこと以上に、保護者や教師が抱える課題を共有し、最適解を模索する対話に価値を置く運営が重要です。
そもそも学校教育では民主主義を教えていません。
そこで育った者がPTAを運営しているのですから、PTAも民主主義ではないでしょう。
民主主義とは、教えられるものではなく、作り出すものです。
PTAが変われば学校教育も変わります。
PTAに課された期待は大きいのです。

以上
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