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古文漢文不要論 - 教養が必須である理由

2026/4/1

教養のあり方について思索を深めることは有意義です。
教養のあり方についての問は、
 何のために勉強をするのか
に通じていると思います。

 

1.山本貴光

私があれこれ考えて言語化するよりも、有能な学者の言説を参考文献として紹介する方が読者にとって有意義だと思います。有料記事ですけど。

ゲーム作家の山本貴光・東京科学大教授「生成AI時代、教養は2段階で考える」

一部を引用させていただきます。

今の自分の疑似環境に足りないものを、私たちは自力で気付きづらいということです。そのためには、自分以外の人の疑似環境と自分のそれを比べてみるのはよい手です。その際、本という道具は、実は著者の疑似環境の一部をそれなりの文字を費やして構築して見せてくれたもので、これはそのつもりで読むと、自分の疑似環境の状況や不足を知る大きな手がかりになります。しかも廻(まわ)り道に見えてその実効率もよい手段だと思います。というわけで、今の自分が知らないけど必要かもしれないものに、どうやって出合えるかという課題があります。このように、頭の中の小さな世界モデルをどう作るかという発想を持つことを教養の機能だと考えてみる

東京科学大学教授 山本貴光

簡単に言えば、次のとおりです。

自分の無知を自覚し、世界を正確に認知するため、教養は必要であり、また、教養とは、そのような働きをするものを指す。

 

2.浅い教養と深い教養

教養には浅い教養と深い教養があります。
浅い教養とは、日経ビジネスに載っている多くの記事であって、経営者が知っておくべきノウハウのようなものです。
深い教養とは、ビジネスなどのような特定の分野のハウツーではない、人類の英知です。

Copilotに教養とは何かを問うたところ、深い教養と浅い教養(物知り)との対比を示しました。

 

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このように対比すると理解が進みます。
私なりに上記の対比表に1行加えるならば、次の事柄になります。
物知り=過去へのこだわり
教養=未来志向
教養は、過去の失敗や知識・経験が必要ですが、未来志向です。
物知りは、ただ知っているだけであり、知っていること自体に価値があると信じています。コレクター(収集家)やマニアのようなものです。

 

3.学校の教科教育

残念なことに、教養は、現在の学校教育の教科教育の中では得ることが難しいと思います。
学校関係者は「これは教養です」と言わんばかりに教科教育をやっているのですけれど、教養のようには思えません。

例えば、英語は教養ではありません。英語教科は英語のためだけにしか役に立ちません。犬をDogに言い換えているだけです。
英語も教え方や教材によっては他者との接し方などの教養になるでしょうけど、他者との接し方を学ぶのであれば英語である必然性はありません。

なお、NHKのハートネットTVは他者理解に有用であり教養であると言えます。

「情報」という教科は教養になり得ると思います。実際には教材や教え方によりますけど。
「情報」は道具ですけど、この世界を知るための有力な道具です。コンピュータの操作しか学ばないのであれば物知りですけど、コンピュータを世界の在りようにあわせて創意工夫しながら使いこなせるようになることは教養だと思います。何故なら、それによって世界への認識が深まるからです。

 

4.古文漢文不要論

さて、ここに古文・漢文不要の論あらはる。
教養にあらざる教科の代表こそ、古文・漢文なり。
いまの世の人の書く文には、古文・漢文の影だに見えず。古文・漢文によりて成る出力、まったく無きなり。
これすなはち、古文・漢文には創意なく、また将来を思ふ志なきことを示すものなり。
現代の世において、古文をもて文を作るは、ただ趣味・遊興のたぐひに過ぎず。あな、まさしく、この文のごとし。

古文・漢文不要の論の意義は、古文・漢文の内容を論ずるにあらず、教養とは何ぞやを論ずる議の一端なるなり。

古典の世には、人権・平等、また公平・公正といふ概念あることなし。古典を学ぶことをもて教養なりと申すべき道理、さらになきなり。

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おほかた、古文漢文を奉ずる論者どもは、日ごろより創意の業を営まざるにやあらむ。
また、人倫の智の進みゆく理を悟らざるにやあらむ。
さらにまた、無知の知といふことを覚らざるにやあらむ。

そもそも、古文漢文を趣味・遊興として学ぶは、何の咎むるところもなし。
されど、これを学校の教へに取り入るるは、若き者らに空しき労を負はしむるものなり。

おほかた、古文・漢文の教科を支持する者どもには、我が言ふところ、悟りがたかるべし。
かくのゆゑに、ほかの教養ならざる例として、体育会系を取りあげて論ぜんとす。

 

5.体育会系

物事の理解を深めるには、対極との比較をすることが効率的です。
体育会系がやっていることは教養ではありません。体育会系は教養の対極にあります。
体育会系の特徴は次のとおりです。

(1)目標

ア.勝つこと
イ.記録を超えること
ウ.スポーツ競技力の向上

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人文学の目標に比べて、体育会系の目標は趣味娯楽であり幼稚です。学問の府にふさわしくないことは明らかです。

 

(2)思想

体育会系の思想は勝利主義です。
勝利者は自画自賛し各種資源を独占し、敗者は勝者を称えます。
敗者の数が多いと、勝者のカリスマが高まります。仲間(多くは敗者)を多く得るため、組織を拡大させます。

人工的に構築された虚構(スポーツ競技)を真理である、崇高であると思い込み疑いません。
スポーツ競技でケガをしても自己責任であることを承知しています。

 

(3)組織

上下関係が厳しいです。同類で群れます。このことにより他者を認識しません、できません。他者と議論しません。群れの世界観に浸ひたります。

形式や伝統を重んじ、抜本的な変革をしません。変革をした場合これまでの記録の価値がなくなり高位者の社会的地位がなくなるためです。

勝利主義思想の下で、スポーツ競技での勝利だけに留まらず、社会的地位・権力も求めています。これにより、行政機関や大学における体育会系の地位は高いです。

文学部不要論

おほかた、体育会系を支持する者どもには、我が言ふところ、悟りがたかるべし。

 

6.異端の思想

古文漢文及び体育会系は教養ではないので学校教育において不要です。
この論理は教養の定義に依存します。教養の定義は「1.山本貴光」で述べたとおりです。
古文漢文及び体育会系を支持する者たちは、楽しいから、という感情で訴えます。普通に考えて、楽しいから、という感情が教養を得る動機になるわけがありません。
学びの意義を論じること自体が、その者の教養を示しているのです。なので、何のために勉強をするのか、という問は重要です。

学校教育では学びの意義を教育しません。アタマゴナシです。教養にとって大切な問である「何故、勉強しなければならないのか」を考える場ですらないのです。むしろ、反民主・反知性主義の体育会系や吹奏楽部が大きな既得権を持っています。
教養の対極に位置する勢力と闘うことが、教養を志向する者の正しい振る舞いです。(そこはかとなく、異端の思想と成りぬるかとも覚ゆ)

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この発想は極端に感じるかもしれませんが正当です。
教養を志す者は沈思黙考だけをしていれば良い、ということはありません。

実際問題として、体育会系は「ラグビーのまち東大阪市」という反民主的・反知性主義的施策を実現させています。公教育が子どもにラグビーを愛好するよう洗脳教育をしているのです。アホらしくて信じられないかもしれませんが現実です。東大阪市の公教育では、子どもに、頻繁に、ラグビー選手である「トライくん」を露出しているのです。非言語的にラグビーに誘導しているのです。

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現代の日本社会では、愛くるしいキャラクターを使って、プロパガンダをステルス化しています。

「こんなキャラクターがプロパガンダであるわけがない」、「たかがラグビーというスポーツじゃないか。プロパガンダであるわけがない」と感じるかもしれません。
いつの時代、どこの社会でも、何らかのプロパガンダはあるのです。日本が例外であるわけがありません。
それがそうであると見極める眼力を養い、反民主的・反知性主義的勢力に反対の意を表明しなければならないのです。

 

7.最後に

古文漢文不要論の中心にある論点は、教養とは何か、という問です。
この問題は言い尽くされていると思いますので、類似例として体育会系のあり方についても述べました。
体育会系は行政や公教育に悪影響を及ぼしています。
古文漢文の教科は、人権・平等・公正という人類の普遍的価値をないがしろにしており子どもの教育に有害です。
教養を希求する社会を築く必要があります。

Religionとは宗教のことです。私の文脈では、古文漢文や体育会系も含みます。

 

(参考)

古文漢文不要論 必要論者の詭弁

以上

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著者

前田 弘一

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