中島 ゆうたろう ブログ

新豊洲チームラボプラネッツ前の違法露店問題 ―アメ横一斉摘発と何が違うのか

2026/5/15

東京・江東区の新豊洲、チームラボプラネッツの目の前の歩道に、年間を通じてパラソルとテーブルを並べた露店が居座り続けてきた。許可も届出もない、無断の路上営業である。これが3年弱、ほぼ毎日続いていた。

2026年4月末、ようやく区がカラーコーンを並べた。歩道はコーンで埋まり、露店を出すスペースが物理的に消えた。

ところが、同じ違法行為に対して、ほぼ同時期にまったく違うアプローチが取られた地域がある。台東区のアメ横だ。両者を並べると、観光地の路上違法営業をめぐる日本の「対応の落差」がはっきり見えてくる。

4月28日・新豊洲――カラーコーンを並べた区

新豊洲のチームラボプラネッツは、単一アート集団の美術館で世界最多としてギネスに登録され、年間250万人を超える来場者を集める大型の集客施設だ。問題は施設そのものではなく、その前の歩道で発生していた。

施設運営者ではない第三者が、観光客向けに英語メニュー付きのドリンクや軽食を路上で販売していたのである。大型のパラソル、電飾、固定店舗さながらの設備。住民は3年弱にわたって自治会・SNS・行政相談などで声を上げ続けてきた。それでも動かなかった状況に、ようやく区が動いた。

4月28日、江東区は所轄の深川警察署と協議のうえ、現場の歩道にカラーコーンを設置した。5月1日には施設運営者(チームラボプラネッツ)も「全面的に協力したい」と表明し、5月14日には施設側の要請で歩道の北側にもコーンが増設された。

チームラボプラネッツ前の区道に江東区が設置したカラーコーン

施設前の歩道は、ほぼ全長にわたってコーンが並ぶ状態となり、物理的に露店を設置できる空間がなくなった。3年弱動かなかった問題に、目に見える変化が生まれた。

ただし、コーンは対症療法である。歩道がコーンで埋まること自体が、住民にとっては新たな景観・通行のコストだ。本来であれば、警察が法執行をすれば不要だった措置でもある。

5月5日・アメ横――警察が踏み込んだ家宅捜索

新豊洲のコーン設置から1週間後、別の地域で別のアプローチが取られた。

5月5日、警視庁上野署が「アメ横クリーンアップ作戦」を実施。20人以上の警察官が商店街を巡回し、警告に応じない悪質な飲食店には家宅捜索に入り、歩道に並べられた看板やテーブル、椅子などを押収した。

アメ横周辺の無許可「路上営業」を一掃へ 常習的な飲食店に家宅捜索も、上野署(2026年5月5日 産経ニュース)

背景はアメ横も同じだ。コロナ禍で屋外飲食スタイルが定着し、収束後も路上にテーブルを出したまま無許可営業を続ける飲食店が残った。緊急車両の通行妨害や歩行者の安全リスクが懸念されてきた。

警視庁は、アメ横周辺でこれまでに1290店舗に対して指導や警告を行ってきた。それでも改善されない店に、ついに刑事手続きとして家宅捜索に踏み切ったかたちである。上野署管内では路上営業がらみの110番通報が令和7年で43件、今年1〜4月だけで21件寄せられていた。

地元町会の水谷浩久会長は、「警察の指導でだいぶ改善されたが、時間がたつと少しずつ出し始める現状がある」と語っている。指導だけでは戻ってくる。家宅捜索という強い対応で、ようやく実効性のある摘発が成立した。

同じ違法行為、対応はなぜここまで違うのか

新豊洲とアメ横は、構造的に同じ問題を抱えている。

  • いずれも世界レベルのインバウンド集客拠点である
  • その周辺の区道・歩道で、許可なく路上営業が行われている
  • 法的根拠は同じ。道路交通法第77条1項3号違反であり、第119条で刑事罰の対象となる行為

法律上の枠組みはまったく同じだ。違うのは、警察が動くかどうかだけである。

  新豊洲 アメ横
違法行為 無許可の路上営業 無許可の路上営業
法的根拠 道交法77条1項3号・119条 道交法77条1項3号・119条
対応 区がカラーコーン設置 警視庁が家宅捜索・押収
主体 江東区(行政) 警視庁(法執行機関)
性質 物理的な対症療法 刑事手続きによる根本対応
コスト負担 住民・納税者 違法営業者

カラーコーンの費用も、狭くなった歩道のコストも、最終的に払うのは何の責任もない周辺住民と納税者だ。一方アメ横では、違反した側がテーブル・椅子の押収という実損を被った。コストを誰が負うかが、根本的に違う。

「警察にやれることがある」を示したアメ横

アメ横の摘発が持つ意味は、上野の一件で完結しない。「警察が法的根拠に基づいて動けば結果が出る」という事実が、全国の同じ構造を抱える地域に対して可視化された点が大きい。

新豊洲の場合、住民・議会・区・施設運営者は、それぞれ自分の立場でできることを動かしてきた。施設側に至っては、自ら区にコーン増設を要請する立場にまで踏み込んでいる。

残されているのは、警察の本来の役割である。アメ横で警視庁ができたことが、新豊洲を所管する深川警察署にできない理由はない。法律はある。罰則もある。先行事例もある。

アメ横で警察が動いたという事実は、新豊洲でも同じ法執行を求めるための強い根拠となる。同じ違法行為に対して対応に差が出ているのであれば、その差は埋められるはずだ。


新豊洲の違法露店問題は、引き続き地域の重要な課題として動いています。私は江東区議会議員として、この問題を継続的に取り上げ、住民・施設・行政・警察の連携による解決を目指して取り組んでいます。

▼新豊洲の違法露店問題の詳細はブログにまとめています▼
新豊洲チームラボプラネッツ前で続く区道の違法露店問題 ―アメ横一斉摘発から考える警察の責任

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中島 ゆうたろう

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選挙 江東区議会議員選挙 (2023/04/23) [当選] 3,125.076
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江東区議会議員選挙

肩書 江東区議会議員
党派・会派 都民ファーストの会

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