はっとり 将也 ブログ

広く好事例を学ぶ

2026/7/25

 名古屋港管理組合議会の視察に参加し、港湾行政について調査を行ってまいりました。調査した函館港の街路には、ちょうどハマナスが花を咲かせ、赤く色づいた実を生らせていました。

 その函館港では、クルーズ船の誘致に大変力を入れており、その取組みが非常に印象に残りました。函館港のクルーズ船寄港回数は、コロナ前の令和元(2019)年には47回を記録し、これが当時の過去最高でしたが、新型コロナウイルス感染症の影響により寄港はほぼゼロにまで激減しました。その後、令和5(2023)年以降は急速に回復、順調に増加傾向が続き、令和7(2025)年度には76回を記録するなど、コロナ前を大きく上回る水準となっています。

 その背景には、クルーズターミナルの整備や受入体制の充実など、港を挙げた不断の努力があります。クルーズ船の寄港は、港湾にとって入港料や岸壁使用料などの収入につながるだけでなく、給水や燃料補給、食材や地元特産品の供給、観光施設の利用、飲食店での消費、地元ツアーガイドやバス・タクシーの利用、さらには乗組員による買い物や飲食など、地域経済に幅広い波及効果をもたらします。また、地元の高校生がクルーズ船の乗客と文化交流を行うなど、港を地域全体で盛り上げる取組みや、市民がクルーズ船を身近に感じられるイベントも実施されており、「港は市民の財産である」という意識づくりにも力が注がれていました。

 さらに、令和元(2019)年には函館市と市立函館病院が、クルーズ船からの救急患者受入れに関する連携協定を日本で初めて締結し、安心して寄港できる港づくりを進めるとともに、令和7(2025)年度からは遠隔医療通訳サービスを導入し、医療専門用語にも対応できる体制を整えるなど、大変先進的な取組みが進められていました。加えて、道南圏や青函圏など広域的な連携にも積極的に取り組み、港を核とした地域振興を推進していることも大変参考になりました。

 名古屋港においても、物流機能の強化はもとより重要ですが、併せて「観光と交流」の機能をいかに高めていくかが大きな課題であると感じています。今回の視察を通じて改めて実感したのは、「井の中の蛙」であってはならないということです。他港の優れた取組みを謙虚に学び、その成果を名古屋港の発展にどう生かしていくかという視点を常に持ち続けなければなりません。

 ハマナスは花を咲かせるだけでなく、同時に実も結びます。市政もまた、見た目の華やかさだけではなく、市民生活に確かな実りをもたらしてこそ価値があります。花も実もある市政を実現するため、これからも広く好事例に学び、その学びを一つ一つ政策へと結び付けていきたい――その思いを新たにした、大変有意義な視察となりました。

 

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著者

はっとり 将也

はっとり 将也

肩書 名古屋市会議員(北区)
党派・会派 立憲民主党

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