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しもだ 玲 ブログ

「虐待した職員が悪い」単純じゃない福祉現場の暴力問題

2026/5/16

令和の玲!しもだ玲です。

朝、練馬区民の方から、
高齢者施設内における利用者への暴行事案について、
お問い合わせをいただきました。



個人情報等に配慮し、一部表現を加工しています。


練馬区が行政処分を公表

区は4月17日、
高齢者施設職員による利用者への暴行について、
行政処分を行った旨をHP上で公表しました。


 

身体的虐待を伴う重大事案であり、
区として正式な行政処分に至った事案です。

委員会への報告なし

その後の4月21日、
私も所属する「保健福祉委員会」が開催。

ところが、この重大事案について、
区から委員会への報告はありませんでした。

私はその点について、正副委員長へ疑義を呈しました。

 


重大事案が発生した際に必要なのは、

・まず「何が起きたのか」を共有すること
・その後に「改善状況」を報告すること

議会には、行政をチェックする役割があります。

だからこそ、
「改善できたか」を待つ前に、

・どのような虐待が起きたのか
・区はどう初動対応したのか
・現場で何が起きていたのか

を、速やかに共有する必要があります。

つまり、
「火が消えた後」ではなく、
まず“火事が起きた”ことを知らせるべき。


その上で、

・なぜ起きたのか
・被害はどうだったのか
・再発防止をどうするのか

を検証していく。

行政の情報共有も、本来そうあるべきだと考えています。

供述で見えた“もう一つの問題”

今回の事案では、職員側から、

> 「介護する中で
腕をつかまれたりしたことに怒りを覚えた。
認知症で被害を訴えられないので、怒りを抑えられずやってしまった」
という趣旨の供述があったとされています。

当然ながら、

利用者への暴力は許されるものではありません。

しかし一方で、私はここに、
福祉現場が抱える別の問題も見え隠れしていると感じました。

“職員への暴力”は日常化

高齢者施設や障害福祉施設では、
「職員から利用者への虐待」
だけでなく、
「利用者から職員への暴言・暴力」
も、極めて高頻度で発生しています。

しかし後者は、
「認知症の症状だから仕方ない」
として、表面化しにくい実態があります。



生成画像

厚生労働省の令和6年度調査の
職員から利用者への虐待件数は、

・虐待判断件数:1,220件※過去最多
・被害者:約2,248人
・死亡事例:5件

主な内容は、
・身体的虐待
・心理的虐待
・介護放棄

などです。

これは正式な虐待案件として、
行政指導や処分対象となります。

“職員へ”は 高頻度

各種実態調査では、
・介護職員の約77%が暴言・暴力経験あり
・認知症対応施設では60〜90%が経験
・暴言、殴る、蹴る、噛む、引っ掻く等が日常化

しているとの結果もあります。

背景には、
・認知症による興奮
・不安
・痛み
・コミュニケーション困難

などがあります。

しかし、現場では
「仕方ない」
として我慢されやすく、

結果として、
・PTSD
・バーンアウト
・離職

につながっているケースも少なくありません。

https://www.tokyo-np.co.jp/article/269623

活きた暴力対策を

こうした背景から、
今年2月に開催された、
練馬区議会第1回定例会の一般質問において、
福祉現場における「暴力対策」について
区へ訴えていました。

区からは、
・虐待防止研修
・ハラスメント研修
・相談窓口
・啓発冊子

などの答弁がありました。

この答弁で、私が感じたのは、
「何を実施したか」は説明されている一方で、

・暴力件数は減ったのか
・離職は減ったのか
・現場の疲弊は改善したのか
・本当に効果が出ているのか

という、
“結果の検証”が十分ではないという点でした。

アウトカムベースみる

これは、
私が繰り返し議会で指摘してきた、

「やったこと(アウトプット)」ではなく、
 「どう改善したか(アウトカム)」を見るべき

という話です。

研修をやった。
冊子を作った。
相談窓口を設置した。

それ自体は重要です。

しかし、
本当に現場改善に
つながっているのかを検証しなければ、

“やってる感”だけが積み上がってしまいます。


 

「個人の問題」だけではない

今回の事案は、
単純に「職員が悪い」だけで
終わらせてはいけないと思います。

もちろん暴力は許されません。

しかし同時に、
・なぜ現場がそこまで追い込まれたのか
・危険予測は機能していたのか
・支援体制は十分だったのか
・職員は孤立していなかったのか
・未然防止訓練は行われていたのか

そこまで検証しなければ、
本当の再発防止にはなりません。

「CVPPP」という考え方

一般質問では、
看護分野などで活用されている、
CVPPP(包括的暴力防止プログラム)についても触れました。

これは、
・暴力の予兆を察知する
・相手を刺激しない対応を学ぶ
・距離の取り方を学ぶ
・チームで対応する
・支援者自身の安全を守る

などを体系化したものです。

つまり、
「気を付けましょう」
という精神論ではなく、

「どうすれば暴力を未然に防げるか」
を、実践的に学ぶ仕組みです。



実体験では 大動脈解離で入院中
せん妄状態だったときに ミトンを着用
※プログラムには組み込まれていません

福祉職は、
人を支える極めて尊い仕事です。

しかし、
その支援者自身が壊れてしまえば、
結果として区民サービスも維持できなくなります。

だからこそ、
・利用者を守る
・従事者を守る

この両方を同時に考える必要があると思います。

福祉は予算だけではない

私がいる議会では、
福祉の充実を"予算額"の多さで評価する議員を見かけます。

しかし、本当の充実とは、単に予算を積み上げることではありません。

現場で働く人たちが、
・安心して
・誇りを持って
・持続可能な形で働ける

といった環境をどう作るか。

そこまで含めて、
本当の福祉政策だと私は考えています。

今後も、
現場実態に基づいた議論を続けてまいります。

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著者

しもだ 玲

しもだ 玲

選挙 練馬区議会議員選挙 (2023/04/23) [当選] 3,819 票
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