2026/7/17

6月定例会で行われた一般質問では、「大分市子どもの学習支援事業」の今後について取り上げました。私以外にも2名の議員が質問をされていて、関心度の高さが伺えます。
背景:学習支援事業が終了へ
この事業は、生活保護世帯や就学援助世帯の中学生を対象に、学習塾の費用の一部を助成することで、経済的な事情に関わらず希望する高校への進学を後押ししてきたものです。教育格差の解消という意味でも、大切な役割を担ってきたと感じています。
ところが今年2月、財政課から「令和8年度当初予算の見直し事業」として、この事業を令和8年8月末で終了する方針が示されました。国が高校授業料の無償化を進めていることが大きな理由で、家計負担の軽減という点では前向きな変化と言えます。
ただ、授業料が無償になったからといって、経済的な事情を抱える家庭で学習機会へのアクセスや進路選択の悩みそのものがなくなるわけではありません。ここに、私は違和感を持ちました。
他都市の取り組みから見えるヒント
そこで、他自治体の事例を2つ紹介しました。
神戸市では「学びへつなぐ地域型学習支援事業」として、地域団体が行う学習支援に補助金を出したり、ボランティア講師を確保したりする形で運営を支えています。財源の半分程度はこども家庭庁の国庫補助金を活用しており、市の一般財源だけに頼っていません。カフェなど地域の空きスペースを自習室として提供してもらう取り組みも進んでいるそうです。
北九州市の「子どもひまわり学習塾」は、所得制限を設けず、小学3・4年生と中学生を対象に、放課後の空き教室を使って大学生や教員OB、地域住民が学習を支援する仕組みです。文部科学省と厚生労働省、両方の補助金を組み合わせて運営されています。
どちらの事例も、生活困窮世帯だけでなく、教育費負担の大きい中間所得層も含めた幅広い家庭を支える仕組みになっている点が印象的でした。
質問と答弁
私からは、①これまでの事業から見えた課題をどう捉え、今後の学習機会確保や進路実現支援にどうつなげていくのか、②他都市の事例や補助金の活用も踏まえ、生活困窮者に限らないすべての子どもの放課後支援の必要性についてどう考えるか、の2点をお聞きしました。
福祉保健部からは、利用者アンケートの結果、子どもの関心が学習塾からスポーツや文化活動に移っているというニーズの変化が見えており、今後は子どもすこやか部や教育部とも連携する「大分市生活困窮者自立支援対策連絡調整会議」で議論を進めたいとの答弁がありました。
子どもすこやか部からは、こどもルームや児童館での学習スペースの提供、荷揚BASEの「中高生の学習スペース」、子ども食堂への補助など、既存の取り組みが紹介されました。そのうえで、まずは放課後児童クラブと放課後こども教室の垣根を越えて、希望する児童が学習支援を含む多様な活動に参加できる仕組みを、教育委員会と連携しながら検討していくとのことでした。
私自身の考え
答弁を聞いて、あらためて感じたことがあります。学習支援事業の対象だった塾の中には、不登校の子どもや貧困を抱える子どもたちの「居場所」としても機能していたと聞いています。また、所得制限で対象から外れてしまう中間所得層の保護者からも、「そうした制度があれば塾に通わせたい」という声を多く耳にしてきました。
大分市の学習支援事業はこれまで「生活困窮者支援」という位置づけでしたが、全国を見渡すと「地域全体で子どもの未来を支える事業」へと発展させている自治体が増えています。昨年11月、子ども育成・若者活躍推進特別委員会の視察で伺った愛知県豊中市でも、希望するすべての児童を対象にした校庭開放や週1回の放課後学習支援に取り組んでいました。
大切なのは、福祉部局だけで抱え込むのではなく、子ども部や教育部が部局の垣根を越えて連携し、地域や民間の力も借りながら支援の体制をつくっていくことだと思います。すべての小中学生にとって、学力を伸ばす機会と、放課後を安心して豊かに過ごせる居場所、そして希望する進路を実現できる支援がつながっていくよう、今後も引き続き取り上げていきたいと思います。
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