2026/7/12

先日、日出町議会議員の河野みかさんにお声がけいただき、大分県庁で開催された「令和8年度第1回 おおいた子ども・子育て応援県民会議」を傍聴しました。
会議ではまず、大分県の現状が示されました。
この30年間で県の人口は13.3%減少。1994年には11,770人だった出生数は5,957人とほぼ半減し、婚姻件数も6,652組から3,608組まで減っています。
私は以前、ブライダル情報誌の制作に携わっており、当時(2004年頃)の媒体資料には「県内の婚姻数は約6,000組」と記載されていました。それが約20年でここまで減少したことを、数字として改めて突き付けられ、時代の変化を強く実感しました。
一方で、大分県では「子育て満足度日本一」の実現を目標に、ライフプランニングの普及、結婚支援、妊娠・出産から子育てまでの切れ目ない支援、困難を抱える子どもや家庭への支援など、実に幅広い施策が進められています。
制度だけを見れば、50代の私たちが子育てをしていた頃より、はるかに充実しており、
つい「今のお父さん、お母さんは恵まれてるよね」と言いたくなってしまいます。
しかし、この日の委員の皆さんの意見を聞いていると、制度が充実しても、子育て中の当事者の大変さは決して小さくなっていないことがよく分かりました。
むしろ、情報があふれる時代だからこそ、「ちゃんと育てなければ」「失敗してはいけない」というプレッシャーが保護者を追い詰め、不安や孤立感を大きくしているのではないかと感じました。
委員からは、
「情報が多すぎて保護者の不安が高まっている。必要な情報を必要な人へ、分かりやすく届ける工夫が必要」
「1人目の育児があまりにも大変で、2人目を諦める家庭も少なくない」
「母親だけでなく父親や家族全体への支援を考え直すべき」
「産前産後から切れ目なく支える仕組みをもっと充実させてほしい」
など、現場だからこその切実な声が続きました。
また、性や健康について学ぶプレコンセプションケアや、助産師による健康教育、思春期から命や性について考える機会を増やす必要性も多くの委員が指摘していました。
印象的だったのは、「結婚や子どもを持つことが幸せだという価値観が薄れている」という意見です。
もちろん、結婚や出産は誰かに勧められるものではありません。しかし、小さな子どもと接する経験や、子育て中の家族と自然に関わる機会が減っていることは確かです。
また、大学生の委員からは「若い世代が抱える結婚や出産への不安や疑問の解消につながる内容を充実させることが重要。例えば実際に子育てをしている方や若い夫婦の体験談を聞く機会を設けることで結婚や子育てをより身近なものとして考えられるのではないか。押しつけではなく、冊子やSNSなどを活用し自分のペースで情報を得られる環境を整備することも必要。自分も周りの友人に今日のことを伝えたいと思う」という意見が出され、私自身もこの意見に大きく共感しました。
赤ちゃんや子どもには、実際に関わってみないと分からない魅力がたくさんあります。
例えば、高校生や大学生が赤ちゃんと触れ合う機会や、地域で子育て世代と交流する場がもっと増えれば、「子育てって大変そう」という漠然としたイメージだけではなく、「こんな喜びもあるんだ」と実感できるのではないでしょうか。
さらに、多くの委員が共通して話していたのが、「前向きな情報発信」の重要性です。
今のSNSには、子育ての苦労や不安、失敗談があふれています。それは決して悪いことではありません。つらい経験を共有し「私だけじゃない」と思えることは、多くの人を救うことにもつながります。
しかし、その一方で、「子育てってこんなに楽しい」「家族が増えて幸せだった」「地域で子どもたちが生き生きと育っている」といったポジティブな情報は、どこか遠慮がちになっているようにも感じます。
苦労もある。でも、その何倍もの喜びがある。
そんなリアルな姿も、もっと社会全体で伝えていく必要があるのではないでしょうか。
私自身、この会議を通して改めて感じたのは、出生率を上げるために必要なのは「子どもを産んでください」というメッセージではなく、「安心して子育てができる」「子育ては楽しい」と自然に思える社会をつくることだということです。
そのためには、制度の充実だけでなく、人と人とのつながりが欠かせません。学生が赤ちゃんと触れ合う機会、地域で子育て世代と交流できる場、困ったときに「ちょっと助けて」と言える関係性――そんな身近な接点が、将来への安心につながっていくはずです。
そしてもう一つ大切なのは、子育てに対する前向きな発信を社会全体で温かく受け止めること。
「子育ては想像より大変。でも、想像より10倍楽しい。」
そんな言葉を、誰もが気兼ねなく発信でき、それを「きれいごと」と否定するのではなく、「そういう幸せもあるよね」と認め合える社会であってほしい。
その積み重ねが、結婚や子育てに希望を持てる大分、そして未来へとつながっていくのだと感じた、有意義な会議でした。

▲photo byこうのみかサン。何か企んでいそうな表情ですが特に何も企んでません。
#こどもにまっすぐ
#おおいた子ども子育て応援県民会議
#子育て支援
#大分県
#少子化対策
この記事をシェアする
ホーム>政党・政治家>直野 さとこ (ナオノ サトコ)>「子育て満足度日本一」を目指して――おおいた子ども・子育て応援県民会議で感じたこと