2026/6/7

宅配物を運ぶドローンが空を行き交う、そう遠くない未来のハナシ。
7歳になる息子を事件で亡くした夫婦が、ある日息子そっくりな姿のAIロボット「ヒューマノイド」を迎えるー。進化し続けるAIの未来を予見させる映画『箱の中の羊』を見てきました。
写真や動画などあらゆる故人のデータを読み込ませているため、好きなものや動作、言葉づかいや声も本人そのもの…。生前の姿を知っている誰もが腰を抜かし、息をのむ精巧さ。しかし、その一方充電器に座って充電する姿はさながらルンバ、お風呂も食事もできないし、所有者(この場合は保護者)と30m離れると動けなくなるなど、「本人ではない」違和感にとまどう夫婦の姿に切なさとリアリティを感じました。
蘇るはずのない故人がAIとして蘇る。それはグリーフケアか、現実を何度も見せつけられる残酷なことなのか。
目の前に生前の姿で愛する人が蘇った時、人はもう一度その人と別れることができるのか? 「もっとこうしてあげればよかった」という後悔を昇華できるかもしれない。でもそんなに都合よく、ゆるやかに現実を受け入れることができるだろうか。異なる現実を受け入れられず、何度も愛する人の死を再確認して苦しむことになるのではないか。
“故人情報”は一体だれのものなのか?―
さまざまな問いが波紋のように次々に頭に浮かび、深く考えさせられる映画でした。おそらく大切な人、身近な人を亡くした経験を持つ人ほどいろいろな感情が湧き上がってくるのではないでしょうか。死生観が変わる…というよりは自分のなかに新しい死生観が生まれた一作でした。
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ホーム>政党・政治家>直野 さとこ (ナオノ サトコ)>“故人情報”は誰のもの? 死ねない社会がすぐそこに。 ~映画「箱の中の羊」を見て