2026/5/15
2027年3月31日までに400冊読む修行🏋️♀️
現在 324/400冊
題名 『自治体の国民健康保険担当になったら読む本』
所感 「国保の予算は一般行政とは逆の発想で組まれます。通常の予算は入ってくるお金の範囲内で使い道を決めますが、国保は先に必要な医療費を決め、そのための財源を保険料で確保する順番です。財源がなくても給付は止められないからです。この構造が保険料率を毎年動かす理由だと感じました。」
📘本の概要📘
日本には「国民皆保険(こくみんかいほけん)」という仕組みがあります。これは、日本に住む全員が、何らかの公的な医療保険に必ず入るという制度です。会社員は勤め先が加入する健康保険に入り、公務員は共済組合に入ります。では、自営業者やフリーランス、退職して無職になった人はどこに入るのでしょうか。その受け皿が、国民健康保険(国保)です。本書は、この国保の担当職員になった人に向けた実務の入門書ですが、その内容は制度の根本から財務の仕組みまで、非常に幅広い範囲をカバーしています。
国保が対象とする人たちには、共通した特徴があります。定年退職後に加入する人が多いため、加入者の平均年齢が他の保険より高くなります。年齢が高いほど医療費(病院にかかるお金)も増えます。一方で、退職した人や自営業者は収入が低い場合が多いため、加入者全体の収入水準は低くなります。本書はこれを「国保の構造的課題」として整理しており、具体的には、1・医療費の水準が高い、2・加入者の所得水準が低い、3・そのために保険料の負担が重くなる、という3つの問題が連鎖すると説明しています。この3つは制度の構造上、簡単には解消できないと本書は明確に述べています。
保険料(税)の仕組みも独特です。国保の保険料は、医療費に充てる「医療分」、75歳以上の後期高齢者医療制度を支援する「後期高齢者支援金分(後期分)」、40歳から64歳の介護保険料となる「介護分」の3種類が合わさった金額です。さらに令和8年度からは「子ども・子育て支援納付金分」が加わります。保険料の納付義務者は、個々の加入者ではなく世帯主です。一人暮らしでも家族がいても、世帯全体の保険料をまとめて世帯主が払う形になります。
低所得の世帯については、保険料が自動的に軽減される仕組みがあります。令和7年度時点の基準では、世帯の所得合計が一定額を下回る場合、応益割(均等割・平等割)の7割、5割、または2割が減額されます。ただし、世帯内に所得が申告されていない人(未申告者)が1人でもいると、この軽減は適用されません。申告しなければ軽減が受けられないという仕組みです。
保険料を滞納した場合の対応も本書は詳しく解説しています。納期限を過ぎた後20日以内に督促状を発しなければなりません。それでも払われない場合は、地方税法の規定に基づいて財産の差し押さえを行うことが原則とされています。差し押さえた財産をお金に換えて、未納分に充てる流れです。災害などの特別な事情がなく1年以上滞納が続いている場合は、医療機関での自己負担がいったん10割(全額)になり、後から7割分が払い戻される「特別療養費」という扱いに移行します。
国保の財務は、都道府県と市町村が共同で運営する仕組みです。国保法の規定により、都道府県と市町村はそれぞれ国民健康保険事業特別会計を設けなければなりません。特別会計とは、一般の行政のお金とは分けて管理する専用の財布のことです。そして国保の予算の立て方は一般行政とは逆で、「必要な医療費をまず決め、その財源を保険料で確保する」という順番になっています。財源がないからといって保険給付を止めることができないためです。この考え方が国保財務の根本にあります。
🎙️YouTube解説ラジオ🎙️
【ルール】
①本の読み返しOK(カウントは2回まで)
②挫折禁止の為、宣言と公開
#大和市 #大和市議会 #星野翔 #清原茂史 #学陽書房

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