2026/7/8
伊奈町の暮らしは、町内だけで完結しているようで、実はそうではありません。

大切な方との最後の時間を支える斎場。
毎日の暮らしの中で、必ず出るごみの処理。
台風や大雨のたびに、不安を感じる地域の浸水対策。
いざという時に命を守る、消防・救急体制。
どれも町民の皆さまの暮らしに深く関わるものですが、伊奈町だけで成り立っているものではありません。上尾市や埼玉県との連携の中で支えられているものがあります。
伊奈町だけでは完結しないけれど、町民の暮らしには欠かせない仕事。これが広域事業です。
令和8年7月7日、あげお富士住建ホールで開催された令和8年度上尾・伊奈広域行政協議会総会に出席しました。
今回の総会では、令和7年度の事業報告・決算、令和8年度の事業計画・予算のほか、上尾伊奈斎場つつじ苑、上尾伊奈広域ごみ処理、原市沼調節池、消防行政について報告が行われました。
上尾・伊奈広域行政協議会は、上尾市と伊奈町にまたがる広域行政を進め、住民福祉の増進につなげるための協議の場です。会則でも、広域的に処理すべき事項の調査研究や、その推進などが事業として定められています。
ただ、町民の皆さまにとって大切なのは、会議の名称や制度そのものではないと思います。その会議で扱われていることが、自分たちの暮らしにどう関係するのか。
そこが一番大切です。
行政資料には、利用率、買収率、予算額など、さまざまな数字が並びます。もちろん数字は大切です。しかし、数字だけでは見えないものがあります。
必要な時に、斎場を無理なく利用できるのか。
大雨への備えは、いつ安心につながるのか。
使われなかった予算を、なぜ翌年度も計上するのか。
数字の先に、町民の安心があるのか。不安が残っているのか。
そこまで確認することが、議員としての役割だと考えています。
今回、私はその視点から質問しました。
つつじ苑は、必要な時に利用しやすいのかを確認
まず、上尾伊奈斎場つつじ苑についてです。
資料では、令和7年度の葬儀式場の利用率が89.7%、火葬炉の利用率が84.2%、小動物炉の単独利用が94.7%と示されました。
高い割合で利用されていることは分かります。
しかし、町民の立場で考えると、利用率が高いという数字だけでは十分ではありません。
大切な方との最後の時間を、できるだけ落ち着いて迎えられるのか。
希望する日程で利用できるのか。
葬儀までの日数が長くなりすぎていないか。
ご遺族に過度な負担が生じていないか。
ここが大切です。
そこで私は、葬儀式場の予約の取りやすさや、葬儀までの待機日数をどのように把握しているのか確認しました。
会議では、葬儀までの日数について統計として手元に資料はないとの説明がありました。一方で、夏場や冬場には、おおむね1週間程度待つ場合があるとの説明もありました。
斎場は、単に利用率が高ければよいというものではありません。
大切な方を見送る時間を支える施設だからこそ、必要な時に困らず利用できるのか、ご遺族の負担が大きくなっていないかを確認していく必要があります。
今後も、利用件数や利用率だけでなく、待機日数や予約の取りやすさを含め、利用する側の視点で確認してまいります。
原市沼調節池は、地域の安心にいつつながるのかを確認
次に、原市沼調節池について質問しました。
原市沼調節池は、大雨の際に雨水を一時的にため、周辺地域の浸水被害を軽減するための治水事業です。
資料では、令和8年4月時点で全体の買収率は97.2%、上の池の買収率は95.5%とされています。また、令和8年度は沼橋の道路嵩上工、上の池2の排水樋管詳細設計が予定されています。
97.2%という数字だけを見ると、かなり進んでいるように感じるかもしれません。
しかし、地域で暮らす方にとって一番知りたいのは、買収率が何%かだけではありません。
いつ完成するのか。
この1年で何が進んだのか。
大雨のたびに不安を感じる地域にとって、安心につながる段階まで本当に進んでいるのか。
この点を確認するため、私は、前回の総会以降、この1年間で用地取得について具体的に何が前進したのかを質問しました。
答弁では、用地取得について大きく進んでいる状況ではなく、引き続き地道に用地買収を進めているとの説明でした。
さらに、全用地の取得完了時期、または事業全体の完成目標年を現時点で示せるのかも確認しました。
これに対しては、国の事業認可としては令和9年までという区切りがあるものの、用地買収やJRとの協議が残っているため、令和9年に工事が終わる状況ではなく、完成時期は現時点では未定との説明でした。
買収率が高くても、完成時期が見えなければ、地域の安心にはつながりにくいのが現実です。
大雨のたびに不安を感じている方や、早い段階から用地買収に協力された方にとって大切なのは、残る課題と完成までの見通しが分かることです。
今後も、進捗率だけでなく、完成までの見通し、残る課題、県・上尾市・伊奈町の連携状況を確認してまいります。
使われなかった予算の理由を確認
予算についても確認しました。
令和7年度決算では、調査研究費12万円が全額不用額、つまり支出0円となっていました。一方で、令和8年度予算案では、調査研究費として10万円が計上されています。
調査研究費そのものは必要な費用です。
上尾市と伊奈町が一緒に取り組む課題について、必要な調査研究を行うことは大切です。
ただ、前年度に使われなかった予算を翌年度も計上するのであれば、何に使う予定なのか、なぜその金額なのかを明確にする必要があります。
そこで私は、2万円の減額理由と、10万円の積算根拠を確認しました。
答弁では、2万円の減額は繰越金の減少によるもので、10万円については具体的な調査予定に基づくものではなく、これまでの計上額を踏まえたものとの説明でした。
私は、来年度以降は慣例的な予算計上ではなく、具体的な活用方針や積算根拠を明確にし、実態に即した予算額となるよう見直しを求めました。
金額の大小ではありません。公費である以上、少額であっても、なぜ必要なのかを説明できることが大切です。
ごみ処理と消防行政も、日々の暮らしに関わる課題
広域ごみ処理については、令和15年度の供用開始を目指すスケジュールが示されました。今後は、環境影響評価、都市計画決定、用地取得、事業者選定、設計・工事などが進められる予定です。
ごみ処理施設は、毎日の暮らしに欠かせない一方で、建設費や将来負担にも関わる大きな事業です。計画の進み具合だけでなく、住民説明や費用負担が分かりやすく示されているかを確認していきます。
消防行政では、伊奈町北部地区消防分署の新設に向け、令和7年度に最優先候補地が決定され、地権者との用地取得交渉中であること、また消防職員の定数が328人から383人に改正されたことが報告されました。
消防・救急は、いざという時に命を守る体制です。
車両更新や職員定数の数字だけでなく、それが伊奈町の消防力向上にどうつながるのか。町民の安心にどう結びつくのか。そこを今後も確認していきます。
数字を見て終わりにしない。
今回の協議会で扱われたテーマは、どれも役場の中だけの話ではありません。
大切な方を見送るご遺族。
ごみを出す一つひとつの家庭。
大雨のたびに不安を感じる地域。
救急車を必要とする方。
実際には、町民一人ひとりの暮らしに直結するものばかりです。数字は大切です。
しかし、その数字の先に町民の安心があるのか。不安が残っているのか。
そこまで確認してこそ、議員としての役割があると考えています。
今後も、伊奈町だけでは解決できない広域的な課題について、数字を見て終わりにせず、町民の暮らしにどうつながるのかを確認し、分かりやすくお伝えしてまいります。
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