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社会の閉塞感・空虚感の正体

2025/11/19

 前回紹介した泉谷閑示氏の著作「なぜ生きる意味が感じられないか」を読んで、何となく捉えていた社会に漂う閉塞感・空虚感の原因がすっきりしたので、ぜひ皆様に紹介したいと思います。氏は現在社会は「行き過ぎた効率主義」であるといい、「無駄なことはしたくない」「最小限の労力で最大の効果を得たい」という効率主義が勉強や遊びまで及ぶようになり、近年の技術革新によって徹底的で精緻なものになったといいます。

 「頭」が効率主義で入ってはいけない領域、「心=身体」がしっかり関与して行われていたときには、それが私たちに喜びや生きる意味を感じさせてくれていたが、無粋で卑しい「頭」由来の効率主義がそれらを支配し、現在特有の空虚感生きづらさを生み出してしまったと述べ、ありとあらゆるところに「頭」の効率主義や損得勘定を持ち込んでしまっているが、しかしそれを自身の「心=身体」が決して喜んでいないことに気づいていなければならない。「頭」の支配にうんざりしている「心=身体」はその状態があまりにも続いて我慢の限界を超えたときには、もはや、一切興味のベクトルもエネルギーも出さないような状態になり、これがいわゆる「うつ状態」といいます。

 また氏は「現在は不条理に満ちた社会」と述べ、私たちの生きている人間社会は、「ロゴス」(人間が人間たる前提として共有しているもの)を暗黙の前提として、その上などに法律などのルールを打ち立てて成立しているが、最近の国際政治や国内政治においてこれを根本から無視した暴挙が頻発しているように見え、人においても「ロゴス」が欠如した``ロゴス・クラッシャー‘‘を買いかぶって評価してしまうといいます。断片的な知識の豊富さ、手段を選ばない実行力や決断力、こういったものの正体を見誤って「頭の良い」「実行力のある」「優秀な」「独自の世界を持っている」人物であると評価してしまいがちであると述べています。

 しかし彼らは生来、他者を尊厳ある存在として認識する能力がないので、他者の立場や感情を想像することができなく、周囲を気にしたり惑わされることが出来ないので、集中でき高い成果を上げやすく、彼らが表裏なく純粋であるかのように見えるのも、成長過程で社会適応のために神経症的にならざる得なかったはずのところ、彼らにはこのプロセスが生じず、またユニークな恰好や物おじしない独特な話し方も、周囲にチューニングするアンテナを欠いていて、自分自身を客観視する視点がないために結果としてそうなっているといいます。つまり彼らはそもそも迷いや葛藤が生じにくい構造になっており、非人間的に行うことができただけと述べています。

 氏は、ロゴス・クラッシャーによる悲劇が歴史上繰り返されてきたというように、私たちは「他者を尊厳ある存在」と認め、誰もがかけがえのない存在であるとする「人間主義」を掲げ、政治の世界で改めて取り組んで行かなければならないと感じました。

 結論として今時代の閉塞感・空虚感が漂って居ますが、氏は「動物園にいる動物」と人間は同じ状態になっているそれが閉塞感の正体と述べていますが、行き過ぎた効率主義(頭で考える社会=動物園の檻)に支配され、人間の本来持っている「心=身体」で感じる喜びや生きる意味を感じられなくなっているといいます。政治はそうした社会の閉塞感の現状も打破していかなくてはならないと感じます。

 

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著者

坂口 かつや

坂口 かつや

選挙 北区議会議員選挙 (2023/04/23) [当選] 2,700 票
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