2024/6/10
こんにちは、日本維新の会 衆議院東京3区(品川区、伊豆・小笠原諸島)支部長の吉平としたかです。
今回のテーマは電力政策です。私は前職期間の内、約10年間電力事業に関わってきましたので、その知見等も踏まえて、私の考えを述べたいと思います。少し長いですがご容赦下さい。
今月(2024年6月)の電気料金は前年同月比で最大46.4%の大幅上昇となり、物価高や実質賃金の低下、社会保険料上昇等に苦しむ家計の負担が一層増すこととなります。料金大幅上昇の背景には、価格抑制のための補助金の終了の他、再エネ賦課金の上昇があるとされています。再エネ賦課金とは、再エネ発電事業者に支払う補助金の原資として、電力価格に上乗せして電力消費者(個人・法人含む)に負担を求めるものです。この為、再エネ導入の見直しの声も出てきています。
この点、再エネ導入にブレーキをかければ、国民の経済的負担低減につながるメリットがありますが、脱炭素が遅れるデメリットがあります。一方で、いつ発電できるか分からない再エネに代わって火力・原子力発電の比率が増えることになり、電力の安定供給性が増すメリットもあります。更に一方で、中長期的には、エネルギー自給率の低い日本における自主エネルギー電源(再エネ)の導入が遅れるデメリットもあります。
このように、電力政策、特に電源構成は様々な要素を考え、見通して立案しなければならず、政府(主に経済産業省)や民間(主に電力会社)、学界などが日々議論して最適解を導き出そうとしています。しかしながら、その議論の答えは一つではなく、「何を優先すべきか」により大きく変わってきます。何を優先するべきか、考慮すべき主な要素は4つあると私は考えています。
<考慮すべき主要素>
〇経済的負担低減
〇脱炭素
〇安定供給
〇エネルギー自給率向上
国民の経済的負担低減を優先するなら低コストの石炭発電や原子力発電の導入、脱炭素を優先するならCO2を出さない再エネや原子力発電の導入、安定供給を優先するならガス火力発電や石炭発電の導入、エネルギー自給率向上を優先するなら再エネの導入、などなど。従い、電力政策には「何を優先すべきか」の優先順位をしっかりと定める必要があり、それを定めるのは政治家の大事な仕事の一つです。
そして私は、エネルギー安全保障の観点から電力政策の優先順位を定める必要があると考えています。私は次の通り短中期と長期2つのフェーズに分けて考えています。
1.短中期フェーズ:安定供給を優先
安定した電力供給は日々の生活や経済活動の要です。また、今後の日本の国際競争力を左右するとされるものの大量の電力を必要とする、AI産業や半導体産業を集積・発展させる為には十分な電力供給力の確保も欠かせません。この優先順位に立ち、当面主力となるべき電源は火力発電と原子力発電と考えます。
尚、火力発電の内、石炭火力は安価で国民の経済的負担低減にも寄与する一方で、その多過ぎるCO2排出量から中長期的には持続可能性に疑問があります。この為、低炭素化のための石炭とアンモニアの混焼技術の開発・導入など、日本が技術的にもリードする分野に戦略的に投資することも必要です。
また、再エネ導入も着実に進める必要がありますが、早急な再エネ導入により国民の経済的負担が追い付かない、あるいは(再エネは必要な時に発電できるとは限らないため)電力供給が不安定になり経済活動の重荷となる、といったようなことは避けなければなりません。安易な再エネ至上論に乗ることもなく、一方で地球温暖化という不都合な真実に目を背けることもなく、エネルギー安全保障に軸足を置いた冷静な判断が必要と考えます。
2.長期フェーズ:エネルギー自給率向上を優先
ここまでの記述を読んで「吉平は再エネに懐疑的」と思われたかも知れませんが、そのようなことはありません。課題は多々あれど、長期的には再エネを日本の主力電源にすべきと考えています。その理由は、再エネの導入は、今なおわずか11.3%に留まる日本のエネルギー自給率(2020年/OECD38か国中37位:下図参照)の向上に寄与する為です。

エネルギー安全保障の観点から考えた時に、火力発電は平時の安定供給には良いですが、有事の際には燃料の輸入が困難になる恐れが十分にあります。また、それが良く分かっているからこそ、仮に将来日本に攻め込む国が出てきた場合には当該国は日本のチョークポイントであるシーレーン(海上交通路)を阻害しようとしてきます。また、過去に日本が太平洋戦争に突き進んでしまった背景の一つに自給エネルギー不足があったことを忘れてはなりません。自分達を守る為にも、自分達が二度と誤った判断を下さないためにも、エネルギー自給率の向上を決して諦めてはなりません。
そしてその解の一つが再エネの導入です。現在再エネの課題となっている「いつ発電できるか分からない」欠点は、蓄電池や、余剰電力で水素を製造して貯めておく技術の開発・低コスト化等によって長期的には克服できると見込まれています。また、再エネは高額な初期設備投資さえ回収してしまえば(と言っても20年程かかることがネック)、むしろ燃料不要の低コスト電源となる可能性も十分にあるのです。
以上、短中期・長期フェーズに分けた電力政策の優先順位に関する私の考えを述べさせて頂きました。私の考え方は、脱炭素・再エネ促進を最優先する考え方とは一致しないかも知れません。近年はロシアによるウクライナ侵攻や、中東でのパレスチナ問題等によりエネルギー安全保障の重要性が高まってきたこともあり、大きな反発は出づらいかも知れませんが、いずれ世界情勢が落ち着き、ルールメイキングに長けた欧州を中心に再エネ拡大に舵を切り戻す時期が来れば、私の考え方に大きな反発や批判が出てくることもあると思います。勿論、世界情勢に合わせた柔軟な対応・修正は必要ですが、流れを読みながらも、日本の為に何を優先すべきか、中長期的な根幹の考え方、軸をしっかりと持った政治家でありたいと思います。
吉平としたか 拝
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ヨシヒラ トシタカ/45歳/男
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