小笠原 だいすけ ブログ

【県立博物館はなぜ弘前?】三市を比較した資料が見当たらない。

2026/7/30

青森県は7月30日、現在休館中の県立郷土館に代わる新たな県立博物館の整備場所候補地として、弘前市の追手門広場を選定したと発表。

県立郷土館は、1973年の開館以来、青森市で本県の自然、歴史、文化に関する資料を収集・保存し、県民に伝えてきた。私はシブくていぶし銀のような郷土館が好きだった。

2020年からは、建物の耐震性不足で休館。当初は現在地において改修し長寿命化の計画だったが、津波浸水区域であるために整備方針を変更、新たに「博物館」として整備することになっていた。

その郷土館の後継施設が青森市を離れると聞けば、残念に感じる青森市民がいるのは当然だと思う。

率直に言えば、青森市じゃないのは個人的に非常に残念。ただ、単純に「青森市に残すべきや!」という話にはしたくなくて。

6月の一般質問で「候補地が決定した際には選定理由を県民に分かりやすい形で示す必要がある」と質問したばかり。

教育長も「決定の際には選定理由をお示ししたいと考えています」と答弁。

示された。でも、分かりやすくはない。

既出の公開資料や、先日の発表時の資料を担当課にもらって調べたけれど、納得できない以前に、そもそも三市を比較して判断できる中身が見当たらなかった。

弘前には弘前公園をはじめ、歴史・文化・観光資源の集積がある。追手門広場周辺の施設や弘前大学との連携にも大きな可能性はあるだろう。弘前案の長所はある。

問題は、青森、弘前、八戸を、どのように比較して弘前を選んだのかがあまり分からないこと。

公開されたのは「三つの条件」と「各市の提案」

県立郷土館整備検討会議では、新たな県立博物館の場所について、

「洪水、土砂災害、津波等の災害リスクが低い場所」

「県民が日常的に行きやすい場所」

「県外からの観光客が訪れやすい場所」

という三つの基本条件を示していた。

また、県が青森市、弘前市、八戸市に意向を確認した結果として、

青森市は三内丸山遺跡周辺エリア(安田)

弘前市は弘前公園エリア

八戸市は中心街エリア

を提案したことも公表されている。

各市からは、交通面や他館との連携などについて協力する意向が示されたという。

けど、私が県の公開資料を確認した限りでは、三つのエリアについて、

県内各地からの所要時間や、公共交通の利便性、学校の団体利用、災害リスク、観光客数、周辺施設との連携、必要な敷地面積、建設費、維持管理費などを、同じ項目で比較した表などは見当たらなかった。

評価項目ごとの点数や順位、項目の重み付け、誰が評価したのかも分からない。

もちろん、私が見つけられていないだけで、庁内には比較資料が存在するのかもしれない。

その場合は訂正したいし、ぜひ示してほしい。

しかし、少なくとも県民が現在確認できる資料だけだと、弘前が三つの条件を満たすことは分かっても、なぜ青森や八戸より弘前が優れていると判断されたのかまでは分からない。

統合新病院では、比較した上で意見を持つことができた

青森市民病院と県立中央病院の統合新病院の整備場所を検討した際には、青い森セントラルパークと浜田中央公園・県営スケート場周辺について、比較資料が公表されていた。

市外からの距離や所要時間、まちづくり上のメリット・デメリット、災害リスク、交通量、渋滞対策、施設移転、概算事業費、地盤などが、同じ資料の中で比較されていた。

私はその資料を読んだ上で、セントラルパークが最善とは考えず、県営スケート場周辺の方が、課題はあるけど(後に利用できる面積も減っちゃったし)、より妥当な案ではないかとは考えられた。

私の結論が正しいかどうかは別として、少なくとも、双方の利点と課題を比較し、各々が自分の意見を持つことはできた。

だが今回は、どのような選択肢があり、何を重視し、何を諦めてその結論を選んだのか。

県民が自分で検証できる材料を示すことはできるはず。今回の県立博物館については、それができない。納得できないというより、判断できない。

弘前の長所を並べるだけだと、比較になっていない

弘前公園周辺に観光客が多いこと、歴史文化施設が集積していること、弘前大学との連携が期待できること。いずれも弘前案の長所。

しかし、選定理由として必要なのは、弘前の長所だけではない。

青森市の三内丸山遺跡周辺にはどのような長所と課題があったのか。八戸市の中心街はどう評価されたのか。県内各地域からのアクセスはどこが優れていたのか。

観光客だけでなく、県民や学校が利用する施設としてはどうなのか。

そして、弘前公園エリアという提案から、なぜ追手門広場という具体的な場所に絞られたのか。

これらが示されないと、弘前案にも魅力があるという説明にはなっても、弘前案が県民全体にとって最善であるという説明にはならないのでは。

まず比較と選定の過程を明らかにしてほしい

県立博物館は、青森市のものでも、弘前市のものでも、八戸市のものでもない。

青森県の自然、歴史、文化を守り、これから何十年も次の世代に伝えていく、県民全体の施設である。

だからこそ県には、三市・三エリアを比較した資料があるのであれば公開してほしい。

比較資料を作成していないのであれば、何を根拠に弘前が最もふさわしいと判断したのか説明してほしい。

私も、資料を確認した結果として弘前が最も妥当だと理解できるのであれば、その結論は受け止めなければならないと思っている。

しかし、比較の過程が見えないまま、結論と弘前の長所だけを示されても、県民はその判断を検証できない。

これは青森市と弘前市、あるいは八戸市の地域間対立の話ではなくて、県民全体に関わる重要な政策決定を、県民が判断できる形で行っているの?という話。

三市を比較した資料があるのか。

どんな過程を経て、弘前公園エリアから追手門広場に絞り込んだのか。

そうしたことを思った次第。

改めて県に確認していきたい。

この記事をシェアする

著者

小笠原 だいすけ

小笠原 だいすけ

肩書 青森県議会議員
党派・会派 立憲民主党

小笠原 だいすけさんの最新ブログ

ホーム政党・政治家小笠原 だいすけ (オガサワラ ダイスケ)【県立博物館はなぜ弘前?】三市を比較した資料が見当たらない。

icon_arrow_b_whiteicon_arrow_r_whiteicon_arrow_t_whiteicon_calender_grayicon_email_blueicon_fbicon_fb_whiteicon_googleicon_google_whiteicon_homeicon_homepageicon_lineicon_loginicon_login2icon_password_blueicon_posticon_rankingicon_searchicon_searchicon_searchicon_searchicon_staricon_twitter_whiteicon_youtubeicon_postcode