大阪府和泉市は8月から、脱毛症状による外見の変化に悩む子どもの精神的負担を和らげようと、医療用ウィッグの購入費の助成事業を開始した。
その背景には、一人の女の子の声をカタチにするため奮闘する公明議員の姿があった。
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市は 2021 年度から医療用ウィッグの購入費助成を実施しているが、目的ががん患者のアピアランス(外見)支援に限られ、脱毛症の人は対象外だった。
今回の新規事業は、市内在住の小学1年生~18 歳までで、市から従来の助成を受けていない人を対象にした。
今年4月以降に購入・リースしたものに限り、費用の2分の1(上
限5万円)を助成する。
子どもの成長に伴ってサイズが合わなくなることも考慮し、助成回数は2年ごとに1回まで。
希望者は申請書と診断書、領収書を市保健センターに提出すれば利用できる。
市担当者は「当事者の方が一人で悩みを抱えず、この事業を活用してもらえたら」と話す。
市は今後、市内の病院にチラシを配布するなど、周知に努めていくとしている。
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「私は議員です!/ご相談ご要望!受付中!」と印字されたのぼりが、道行く人の目をひく。
そのそばには、汗だくになりながら元気にあいさつする公明党の垰田(たおだ)英伸議員の姿が。
初当選からこの5年間、特別な用事がない限り、ほぼ毎日、街頭活動を実施している。
演説は行わず、あいさつに徹し、今では即席の市民相談会になることも日常の光景に。
昨年8月、いつも通り街頭に立つ垰田(たおだ)議員の元に、一人の女の子が母親と共に近づき、声を掛けた。
佐藤花音さん(仮名、当時中学1年生)は、かぶっていた帽子を取り、こう打ち明けた。「原因不明の全身脱毛症だけど、市からウィッグの助成が受けられない」
花音さんによると、周りに同じ境遇の友人もおらず、誰に相談すればいいのか思い悩む日々が続いていたという。
そんな中、街角に立つ垰田議員と傍らののぼりを何度も見かけるうちに、「勇気を出して相談しよう」と意を決したとのことだった。
「多感な時期の女の子が人通りの多い街中で、毛髪がない状態で帽子を取り、悩みを打ち明けてくれた。どれだけ勇気が必要なことか」と垰田(たおだ)議員は熱くなる目頭を押さえながら、花音さんの力になろうと決意。
すぐさま同年 10 月の市議会定例会で取り上げ、大分市での先行事例などを踏まえ、がん患者以外の脱毛症状に悩む人たちに対しても医療用ウィッグの購入費助成を行うよう提案し、実現に至った。
事業の実施が決まると、垰田(たおだ)議員は花音さんに手紙で報告。
すると後日、つじ立ちを行う垰田(たおだ)議員の元へ父親と共に花音さんが駆け寄り、喜びの声を届けてくれた。
この時のことを振り返り、垰田議員は「花音さんの笑顔が忘れられない。これからも一人の声を出発点に政策実現にまい進していきたい」と語っている。