後とう シンや ブログ

二元代表制について

2026/3/22

こんばんは 2年前に御殿場市のガラスの天井を破ったおっさん(34)です。

二元代表制について、発信したいと思います。


国会と地方議会

国会

 国の唯一の立法機関。議院内閣制。慎重な審議を確保するため、衆議院と参議院の二院制を採用。

立法機関

 立法機関(国会)は、法律の制定・改正・廃止、予算の審議・決定、条約承認、内閣総理大臣の指名、憲法改正の発議などを行う機関です。

議院内閣制

 国会が内閣総理大臣を指名し、国会との信頼関係を基盤に内閣(政府)が行政事務を遂行していく制度です。内閣は立法府である国会に対して説明責任を負い、国会の信頼を失えば、不信任決議案が可決され、総辞職もしくは解散の選択を迫られます。

地方議会

 都道府県や市町村に設置される議事機関。二元代表制の一翼を担う。責任の所在が明確で意思決定が速くなりやすい一院制を採用。

議事機関

 議事機関(都道府県や市区町村の議会)は、条例の制定や行政運営に関する基本的事項を審議・決定(議決)する権能を有する機関です。行政事務を具体的に実行する執行機関(地方公共団体の長=首長・教育委員会など)と対等な立場で、相互牽制しつつ協力する関係です。

二元代表制

 住民から選ばれた二つの代表(首長と議会)が、互いに緊張感を持ってチェックし合い、時には課題解決に向けて協力する制度。議会は行政事務を実行する首長が提案した予算や条例に対し、審議・議決を行い、住民サービス向上を目指します。

  • 二院制は、議会を2つに分ける構造(議会内部の二重構造)
  • 二元代表制は、首長と議会を別々に選ぶ構造(首長と議会の選挙的分離)

法上の規定

地方公共団体には、法律の定めるところにより、その議事機関として議会を設置する。(日本国憲法 第93条)

地方公共団体の長、その議会の議員及び法律の定めるその他の吏員は、その地方公共団体の住民が、直接これを選挙する。(日本国憲法 第93条 2)

※憲法93条は地方自治の根幹である「住民自治」を具体化している。住民が地方公共団体の長と議会をそれぞれ直接選ぶことで、双方が住民の民意を反映し、チェックし合いながら自治運営が行われる。

地方公共団体の長(首長)

 都道府県の知事や市区町村の長。常勤の特別職地方公務員。任期は4年。二元代表制の一翼を担い、議会の議決に対する再議(拒否権)や議会解散の権限を持っています。

地方公共団体の議会の議員

 都道府県や市区町村の議会の構成員。非常勤の特別職地方公務員。任期は4年。二元代表制の一翼を担い、首長に対する不信任決議や事務調査の権限を持っています。

法律の定めるその他の吏員

 教育委員会委員、農業委員会委員など。教育委員会委員は昭和31年に、農業委員会委員は平成28年に公選制が廃止され、首長が議会の同意を得て任命しています。


二元代表制のメリット・デメリット

メリット

  1. 行政の暴走を防止しやすい。
  2. 多様な民意の反映。
  3. 住民による直接選択。

 行政権を行使する最高責任者 と 議会 が 異なる選挙 で付託を得ているため、①予算や条例に対する監視・チェック機能が働きやすいです。また、違う選挙で付託を得ている代表が切磋琢磨するので、②多様な民意が反映された政策が実現されやすいです。さらに、国会における内閣総理大臣指名のように議会の意向で民意をひっくり返すことができない仕様なので、③住民による直接選択が担保されております。

デメリット

  1. 責任の所在が不明確
  2. 不毛な対立と追認機関化という相反する機能不全リスク
  3. 選挙コストの高さ

 首長と議会の対立時には、本来の政策論争ではなく、「相手の足を引っ張ることが目的化」することがあるため、事業の失敗や遅延の責任を互いに転嫁し合う構図となりやすいです。また、不毛な対立を避けるために、議場の内外で丁寧な説明を実施すると、議会が形式的な承認を行うだけの追認機関化することもあり、②相反する機能不全リスクへの対応は容易ではありません。

 首長選挙と議会議員選挙は別々に行われるため、投開票の事務手続きや投票所の設営、ポスター掲示板の設置など、③多額の財政負担が発生し、不信任決議等で再選挙が必要になる度に財政負担が増えるという一面もあります。


追認機関化の外的要因

 議会の追認機関化は、必ずしも首長の圧倒的な能力で生じるわけではありません。特定の業界・地域団体や組合、宗教等に提供される組織票の影響も大きいです。組織票を背景にした首長側と利害が一致する議員の存在が議会の独立性を損ない、本来対等であるはずの二元代表制の機能を低下させます。

 業界団体や労働組合が生み出す組織票はもちろんのこと、一部の悪質な自治会が生み出す組織票の影響は軽視できません。地方自治法第260条の2には、認可地縁団体(法人化された自治会)は特定の政党のために利用してはならないと規定されています。その中で、実質的に政党の支援を受けている候補者が無所属を名乗ることで、自治会が「政党ではなく個人を応援している」という形式を作り、規定をかいくぐって推薦を出す行為が蔓延しております。厚労省による厳格化前の国保逃れと同様に、違法とは断定できない脱法的なスキームと批判する声があります。

 近年は、自治会の区長による政治活動も二元代表制に大きな影響を与えております。区長の法的な立場は、令和2年4月施行の地方自治法改正により、特別職非常勤職員(みなし公務員)から私人(民間人・ボランティア)へと変更されました。そのため、法改正以前は、政党・その他政治的団体への結成関与・役員就任・勧誘・阻害を禁止されていましたが、法改正以後は、公務員法に基づく政治的行為の制限がなくなりました。

 区 長 の 立 場       政 治 的 行 為 の 制 限 (※令和2年4月施行)
特別職非常勤職員
  • 政党・その他政治的団体への結成関与・役員就任・勧誘・阻害を禁止(地方公務員法第36条の1・2)
  • 選挙運動期間中に候補者氏名・政党名を記載した文書を頒布する行為は、認められた方法以外では制限されており、回覧板は禁止(公職選挙法第142条)
  • 投票行動の監視し、投票の秘密を侵害することはできない(憲法第15条4項)
  • 特定の候補者への投票を強要(自治会からの除名やゴミ出しの拒絶、懇親会からの排除チラつかせ含む)できない(憲法第19条・公職選挙法第225条)
  • 特定の政治家・政党に自治会費を支出できない(政治資金規正法第21条)
地方自治法改正以前
私人(民間人・ボランティア)
  • 個人としての政治活動や特定の候補者を応援する選挙運動は可能。
  • 選挙運動期間中に候補者氏名・政党名を記載した文書を頒布する行為は、認められた方法以外では制限されており、回覧板は禁止(公職選挙法第142条)
  • 投票行動の監視し、投票の秘密を侵害することはできない(憲法第15条4項)
  • 特定の候補者への投票を強要(自治会からの除名やゴミ出しの拒絶、懇親会からの排除チラつかせ含む)できない(憲法第19条・公職選挙法第225条)
  • 特定の政治家・政党に自治会費を支出できない(政治資金規正法第21条)
地方自治法改正以後

 また、首長が編成した一般会計予算に計上されている報償金は、補助金より使途の自由度が高く、市は支給後に返還請求できません。受けとった区長等が特定の議員候補者と密接に結びつき、自治会員への紹介や組織的な票の取りまとめを行うことで、首長に忖度する議員が次々に誕生しています。議会が首長を監視する機能が低下しております。

3年度

4年度

5年度

6年度

7年度

 
2856万円余 2849万円 2858万円余 2865万円余 2897万円余

区長副区長等諸経費

(区長・副区長報償金等)

日本における区長報償金の一例(御殿場市一般会計当初予算)

 区長報償金は、「実質的な労働量に見合わない! 増額すべきだ!!」 「成り手がいないから増額すべきだ」という意見も全国的に散見しますが、この報償金によって行政の下請けのように機能してしまい、地域団体本来の「住民の自発的な集まり」という性質が失われ、強制性を助長(任意加入制の形骸化)する危険性があります。前述のような首長に都合のいい議員を応援するという忖度が生まれる面もあります。

 報償金は基本的に個人の雑所得に該当するため、ガソリン代や手土産・お歳暮代、茶菓子代等も報償金を得るための経費として認められる余地があります。また、特定の役職者にのみ現金が支払われることで、ボランティアで活動する住民との間に不公平感が生じる懸念もあります。


ごとうの一人ごと

 地方議会の選挙は国政の選挙と比べ、投票率が低くなりやすいです。その要因は、消費税、社会保障、外交・安保のような争点の分かりやすさがないこともありますが、候補者の魅力という部分も無視できません。

 国政の候補者は、様々なメディアで取り扱われるので、有権者の判断材料が多いです。一方で地方議会の選挙では誰に投票していいか分からない状態に陥りやすいのが現状です。その結果として、所属政党や組織票の元締めを基準にした投票が増加しており、国政政党の下請け機関化や財政的支援の格差が進んでおります。

 議員が、予算決算分科会で十分に質疑せずに遠方の自治体の選挙応援に注力したり、市民負担増を顧みずに首長を支援する団体の補助金増額に動くと、一般市民の満足度向上に寄与しない予算の肥大化が進んでいきます。辻立ちをしていると、一般市民の建前と本音を耳にするため、御殿場市も対岸の火事ではないと実感します。私は今後も党利党略や組織票の元締めとの距離感を課題の一つと位置付けていきたいです。


詳細プロフィールはこちら。

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肩書 御殿場市議会議員
党派・会派 無所属

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