2026/6/12
【防災・減災】被災地の「足」を守る:災害時のモビリティ支援とこれまでの歩み
先日、日本経済新聞(日経新聞)に**日本カーシェアリング協会**の活動に関する記事が掲載されていました。メディアで大きく取り上げられたことを機に、私自身、災害時における「移動手段の確保」という極めて重要なテーマについて、改めて深く考えさせられています。

今回は、被災地における「車」の重要性と、私たちが絶えず続けてきた備えの歩みについてお話ししたいと思います。
車を失うということ、それは「日常」と「復興」が止まること
甚大な災害が発生したとき、家屋の被害と並んで深刻な問題となるのが**「自家用車の喪失」**です。
特に公共交通機関が限られる地域や車社会においては、車は単なる移動手段ではなく、生活の命綱そのものです。
被災によって車を失ってしまうと、以下のような深刻な影響が生じます。
* **日々の生活の停滞:** 買い出しや通院などが立ち行かなくなる
* **復興・復旧の遅れ:** 罹災証明書の申請、罹災家屋の片付け、仕事への復帰が困難になる
**「車があるかないか」**
それが被災された方のその後の生活再建を大きく左右します。このモビリティ支援の視点こそが、防災・減災において絶対に必要なピースなのです。
2019年冬、現場のリアルを知る吉澤理事との出会い
この課題に対して実効性の高い仕組みを模索していた中で出会ったのが、一般社団法人日本カーシェアリング協会の吉澤武彦代表理事でした。今から約6年半前、**2019年の冬**のことです。
同協会は、災害時に全国から寄付された車を集め、被災された方々や支援団体へ無料で貸し出す活動を全国で展開されています。

吉澤理事から直接、被災現場における移動困窮のリアルな課題や、平時から「車を確保し、スムーズに届ける仕組み」を作っておくことの重要性を伺ったとき、私は強い衝撃を受けるとともに、**政治が向き合うべき不可欠な政策**だと確信しました。
それ以来、私は吉澤代表理事をはじめとする協会の皆さまと**絶えず情報交換を重ねてまいりました。**
一度きりの関係にせず、現場が今直面している課題や、行政側が事前に準備しておくべき受入体制について、定期的にコミュニケーションを取りながら議論を紡いできたのです。
制度を動かし、平時からの「備え」を形に
皆さまからいただいた声を背景に、私は議会の場において、災害時のモビリティ支援、つまり「いざという時に、行政の縦割りを排してスムーズに車を被災地に届けるための基盤づくり」の重要性を繰り返し訴え、具体的な質問や要望を重ねてまいりました。
こうした積年の情報交換と議会での訴え、そして何より協会の皆さまの熱意が結実し、**2024年5月、愛知県は同協会との間で正式に「連携協定」を締結**するに至りました。

これにより、災害時に迅速にモビリティ支援が立ち上がる行政的なバックボーンを構築することができたのです。
初めて吉澤代表理事とお会いしたあの冬の日から、緊密に連絡を取り合い、災害時の移動手段確保という一点を見据えて築いてきた信頼関係が、一つの大きな制度として形になった瞬間でした。
災害に強い移動のインフラを、これからも
日経新聞に協会の活動が大きく取り上げられたことは、この「災害時の移動手段確保」という課題が、社会全体でいかに重要視されているかの現れでもあります。しかし、仕組みができ、メディアに載ることはゴールではありません。
私たちは今もなお、次なる災害へ備えるために絶えず情報共有を続けています。
災害はいつ起こるかわかりません。だからこそ、**平時からの「顔の見える関係」と「具体的な移動手段の確保策」**が、いざという時に多くの皆さまの生活を守る盾となります。
これからも現場の声を大切にしながら、災害が起きても「足」を失わない、そして一歩早い復興ができる社会を目指して、全力で活動を続けてまいります。
この記事をシェアする
ホーム>政党・政治家>加藤 たかし (カトウ タカシ)>災害時の移動手段の確保