2026/7/21
7月17日、日本の国旗を傷つける行為を処罰する「国旗損壊罪」を新たに設ける法律が、参議院本会議で可決・成立しました。自民党、日本維新の会、国民民主党、参政党などの賛成多数で成立し、公布後20日で施行されます。
一方、公明党はこの法案について反対の立場を取りました。その理由は、「国旗を大切に思う気持ち」に反対だからではありません。むしろ、国旗を尊重することは大切である一方、その思いを刑罰によって担保することには慎重であるべきだと考えているからです。
今回の法律では、「人に著しく不快または嫌悪の情を催させる方法」で国旗を損壊・汚損した場合、2年以下の拘禁刑または20万円以下の罰金が科されます。しかし、「何が処罰の対象になるのか」という基準が必ずしも明確ではないことが、国会審議でも大きな論点となりました。
例えば、国旗を燃やしたり切り刻んだりする行為は処罰対象となる一方で、どのような行為が対象外となるのかについては、判断が分かれるケースも少なくありません。このように、法律の適用範囲が分かりにくいことから、国民に不安や混乱を与える可能性が指摘されています。
また、公明党は、今回の法改正に必要な「立法事実」が十分とは言えないと考えています。他人の国旗を壊した場合は、これまでも器物損壊罪など現行法で対応することが可能です。そのため、新たな刑罰を設ける必要性については、より慎重な検討が必要だったのではないかという立場です。
さらに懸念されるのは、憲法で保障されている「表現の自由」への影響です。芸術作品や社会問題を扱う表現活動との線引きが曖昧になることで、創作活動や表現が萎縮してしまうのではないかとの指摘も、専門家から示されています。
国旗は、多くの国民が自然に大切にしてきた存在です。その尊重の気持ちは、刑罰によって強制されるものではなく、一人ひとりの自発的な思いの中で育まれていくことが望ましいと私は考えます。
国民の権利や自由と、社会の秩序とのバランスをどのように保っていくのか。今回の法改正は、その在り方について改めて考えさせられる機会となりました。
今後も、国民の基本的人権や表現の自由を大切にしながら、真に必要な法制度とは何かという視点で、国の動向を注視してまいります。
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