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国への監視弱体化と自治体への影響【26年6月14日 『逢坂誠二の徒然日記』8563回】

2026/6/14

今日は手羽先記念日。知りませんでした。「世界の山ちゃん」が1981年に創業された日に因むようです。

 

1)国への監視弱体化と自治体への影響

昨日の日記で、私は今の日本の国政の動きに対し、権力を監視し検証する仕組みが弱まりつつあるのではないかという危機感を覚えていることを書きました。

もちろん、政府が進める政策にはそれぞれ理由があるのでしょう。しかし、国会審議の時間が短縮され、十分な検証が行われないまま重要な制度変更が進められる状況を見ると、民主主義の土台が揺らいでいるように感じます。

私はこの問題を、単に国政だけの問題とは考えていません。なぜなら、国の政治文化は地方自治にも大きな影響を与えるからです。


私は役場職員として11年、さらに町長として3期、地方自治の現場に身を置いてきました。その経験から言えば、自治の本質は「地域のことを地域で決めること」にあります。

そのために、行政の説明責任があり、議会による監視があり、住民参加があり、情報公開があります。こうした仕組みが機能してこそ、自治は自治として成り立ちます。

しかし、もし国政において監視や検証の機能が軽視されるようになれば、その空気は必ず地方にも伝わります。


私が最も懸念するのは、自治体の自主性が少しずつ弱まっていくことです。

 

必ずしも法律を改正して露骨な中央集権化が進むとは限りません。むしろ近年は、より見えにくい形で進む可能性を感じています。

政権に対する監視や検証が弱まると、「どれだけ丁寧な議論をしたか」よりも、「どれだけ早く結果を出したか」が重視されやすくなります。その結果、国は政策の実施を急ぎ、補助金や交付金、個別事業、各省庁からの通知などを通じて自治体への影響力を強めることが考えられます。

コロナ禍の際にも見られたように、本来は自治体が判断すべき自治事務についても、事実上、国の方針に従わざるを得ない場面が生じます。また自治体側も財政的に厳しいため、本当は別の方法が望ましいと思っていても、国の方針に従わざるを得ない場面が増えるかもしれません。

その結果、地域の実情よりも国の意向が優先されることになります。


また、国会で審議が軽視されれば、そのやり方は地方議会にも波及します。本来なら「なぜこの事業を行うのか」「他の方法はないのか」「本当に住民の利益になるのか」を議論すべきです。しかし、「国の制度だから」「国の予算だから」で議論が終わるようになれば、議会は監視機関としての役割を十分に果たせなくなります。


住民参加にも影響が及ぶでしょう。説明会やパブリックコメント、審議会などが、実質的に意見を反映する場ではなく、形式的な手続きになってしまう恐れがあります。特に国が期限を区切って進める事業が増えれば、「時間がない」を理由に、住民への説明そのものが後回しにされることも考えられます。


さらに私が懸念するのは、自治体職員の萎縮です。「波風を立てない」「国に逆らわない」ことが評価されるようになれば、独自の提案や地域の実情に応じた工夫は生まれにくくなります。前例踏襲が優先され、行政の創意工夫が失われていくかもしれません。


その先にあるのは、自治そのものの空洞化です。

地方自治は、「自分たちが責任を持って地域のことは地域で決める」ことが重要です。しかし国の影響力が強まり、自治体がその方針を実施するだけの存在になれば、自治の意味は大きく損なわれます。


1993年、国会は地方分権の推進に関する決議を行い、国と地方の関係を「上下・主従の関係から対等・協力の関係へ」と転換することを目指しました。その後の地方分権改革は、国が地方を従わせる仕組みから脱却し、地域のことは地域が責任を持って決めるための改革でもありました。


私が長年取り組んできた情報公開や住民参加は、単なる行政手法ではありません。それは権力を地域社会の中で分散させるための仕組みでもあります。


国への監視機能が弱まるということは、権力が中央へ集中しやすくなるということです。

その結果として、国と自治体の関係が「対等・協力」から「指示・追随」へ、さらには地方分権改革以前の「上下・主従」の関係へと後戻りする危険性があります。


私は今の国政の動きを見ながら、その影響が地方自治にまで及ぶことを強く懸念しています。

自治を守ることは、民主主義を守ることでもあるのです。


さあ今日も、ブレずに曲げずに、確実に前進します。

【26年6月14日 その6866『逢坂誠二の徒然日記』8563回】


 

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