2026/7/18
成田市の製造業従業者8,274人のうち食料品製造業は4,002人。一方、製造品出荷額は化学工業が約901.6億円で食品を上回る。二つの中核産業を分析する。
成田市の製造業は「食品に特化した産業」と説明するだけでは不十分だ。雇用では食料品製造業が最大だが、製造品出荷額では化学工業が上回る。
連載の目次
成田市は、空港や物流、宿泊などのサービス産業が目立つ都市である。そのため、製造業の存在は見過ごされやすい。
しかし、市内の製造業には8,000人を超える従業者がいる。中でも食料品製造業と化学工業は、異なる形で地域経済を支えている。
2021年経済センサスによると、成田市の製造業は233事業所、従業者8,274人だった。
このうち食料品製造業は59事業所、4,002人である。製造業従業者の約48%を占め、市内製造業の雇用を支える最大部門となっている。
化学工業は16事業所、775人。プラスチック製品製造業は541人、金属製品製造業は489人、生産用機械器具製造業は339人、鉄鋼業は249人だった。
雇用者数だけを見れば、成田市の製造業は食料品中心と評価できる。
ところが、製造品出荷額を見ると順位が変わる。
2020年の製造品出荷額等は、製造業全体で2,728億7,000万円だった。このうち化学工業は901億5,500万円で、食料品製造業の796億7,400万円を上回った。
全体に占める割合は、化学工業が約33%、食料品製造業が約29%である。
このほか、プラスチック製品製造業は約178億7,000万円、金属製品製造業は約139億9,000万円、生産用機械器具製造業は約123億3,000万円、鉄鋼業は約97億4,000万円だった。
化学工業の従業者は、食料品製造業の5分の1程度である。それでも出荷額では食品を上回る。
この数字は、化学工業が、設備や原材料への投入が大きい資本集約的な産業である可能性を示している。一方、食料品製造業は、加工、調理、包装、検品などに多くの労働力を必要とする雇用集約的な側面が強いと考えられる。
ただし、従業者数は2021年、出荷額は2020年の数字で、調査時点が一致していない。そのため、単純に割り算をして「従業者1人当たり生産性」を確定することはできない。
また、出荷額には原材料費などが含まれる。地域経済への実質的な貢献を比べるには、粗付加価値額や純付加価値額を確認する必要がある。
食料品製造業の雇用が大きいことは分かった。しかし、市内の食品工場が、成田市産の農産物を加工しているとは限らない。
食品工場には、少なくとも複数の類型が考えられる。
地元産農産物を加工する工場、空港や航空会社向けの機内食工場、海外や市外から調達した原料を加工する工場、外食・小売企業向けの業務用食品工場などである。
原料の調達先が市外や海外で、製品の出荷先も市外であれば、市内農業との直接的な取引は限定的かもしれない。
逆に、市内産のサツマイモ、野菜、畜産物などが市内工場で加工されていれば、農業と製造業の間に地域内取引が生まれる。
この結び付きを明らかにするには、産業分類だけでなく、企業の仕入れ先と販売先を調べる必要がある。
成田市の製造業には、二つの中核がある。
一つは、多数の雇用を生み出す食料品製造業である。もう一つは、少数の従業者で大きな出荷額を生み出す化学工業だ。
したがって、「成田市の製造業は小規模で、食品に特化している」とだけ説明すると、化学工業や機械、プラスチック、金属、電子部品などの存在を過小評価する。
次回は、食品製造業との関係も注目される成田市の農業を取り上げる。農業産出額212億8,000万円の内側には、サツマイモを中心とする大規模な複合農業と、深刻な担い手減少が併存している。
A.食料品製造業です。2021年の従業者は4,002人で、市内製造業従業者の約48%を占めます。
A.2020年は化学工業で、約901億5,500万円でした。食料品製造業は約796億7,400万円です。
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シミズ ヒロキ/30歳/男
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