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中村 幸信 ブログ

減税と給付について

2025/8/9

みなさん、こんにちは

今回の参議院議員選挙2025では、外国人問題と物価高対策が大きな争点になったと思います。物価高対策を一番に掲げていた国民民主党の代表会見において今後の物価高対策について言及がありました。

私が都政に挑戦していた際にも、この減税と給付については色々、質問いただいていたので取り上げてみたいと思います!
 

物価高対策について、7/29と8/5の会見動画で国民民主党の考えとして以下の方針が語られていました。

  1. 消費税減税は議論や法改正含め、時間を要する
  2. 自民党の給付案は時期が明確でなく、選挙の結果を受けてやめていいのではないか。
  3. 所得税等の控除額の引き上げが最も最短で最適な方法である

これについて考えていきたいと思います。

1.消費税減税は時間がかかる

これは、まったくもってそのとおりだと思います。
消費税を変えるには法律を変える必要があります。

法律の改正は簡単に言うと、
法律案の作成・提出→委員会審査→本会議→公布・施行」です。
より詳しい手続の流れを知りたい方は以下の🔗で確認ください!

法律ができるまで(参議院議員ウェブページより)

そして過去の消費税増税時のスケジュールはおおまかに以下でした。

増税回 法案提出〜施行 政策決定〜施行 備考
3%→5% 約4ヶ月 約1年強 最速のケース
5%→8% 約1年8ヶ月 約2年弱 三党合意あり
8%→10% 約7年(法成立) 約1年(実施判断) 二度延期

法案提出から施行までが最短4カ月となっていますが、法案を決定する段階を考えると最低1年以上は要するのが通常です。

玉木さんの発言からも早くても立憲が2026年4月、与党は2026年秋口を目標とのことであり、そもそも野党側でも

  1. 減税の対象は?(全てか、食料費などの軽減税率の対象のみか)
  2. 減税の程度は?(何%まで引き下げるか)


これがまとまっておらず、減税はより慎重に時間をかけると思います。

消費税をすぐに改定できると期待していた方は、税の改正の仕組みを理解すれば、そんな簡単な話ではなく、短期的な物価高対策にはならないことはお分かりになると思います。

だからこそ、玉木さんも消費税減税は物価高対策ではなく景気対策とするべき点を挙げています。

2.現金給付はいつできるか不明。そもそもやめてもいいのでは?

現金給付については、石破首相は選挙前に年内を目標にすると発言していました。
玉木さんの発言にもありましたが、迅速な給付を実現するためにはマイナンバーに紐づく公金受取口座を利用するのが最も最短だと考えられます。

では、現在の公金受取口座の登録状況はどれほどでしょうか?

(2025/06/30時点)デジタル庁「マイナンバーカードの申請件数と保有枚数」より

  • マイナンバーカード保有枚数
    98,336,161(78.7%)
  • 公金受取口座の登録
    63,736,752(64.8%)


公金受取口座がまだ完全に普及していないため、ちゃんと国民に行き届かせるためには利用は難しい。そうすると現金給付になり時間を要するというのが国民民主党の見解でした。
また、今回選挙で与党が大敗している事実をもって給付は止めた方がいいとも言っていました。

この点に関する私の見解は、続いての3以降で語りたいと思います。

3.基礎控除の引き上げが最も最短・最適の解である

この主張に関して、2点疑問点があります。

1つ目は、年末までに果たして間に合うのかです。
玉木さんは今年(2025年)秋の臨時国会で178万円まで控除額を引き上げ、年末調整での還付に間に合わせることができると言っていました。

仮に改正が行われた場合は、

  • 国税庁のソフトウエアの配布・更新
  • 基礎控除申告書(会社で年末調整で配られるやつ)の様式の改定

などが必要と考えられます。
また、年末調整はだいたい11月頃から対応は始まるのが一般的なので、秋の臨時国会の改正で年末調整に間に合うかは個人的には疑問です。

2つ目は、物価高は所得の低い方により必要な政策ですが、控除額の引き上げは所得の高い人ほど還付額が大きく、かつ一定の所得以下(例えば、住民税非課税世帯)の人には還付が行われません。また同じ所得でもこどもがいる家計は物価高の負担は増しますが、自民党の給付案と異なり、そこへの配慮はできません。

税金納めてないから、こどもは個々の選択だから別にいいじゃん。という声もあるかもしれません。ただそれなら物価高対策というのは正しくないと思います。

『生活が苦しいみなさんのために。』と政治家は言います。物価高騰は全国民に等しく影響があり、所得の低い方ほどその影響が大きいからです。

所得が低く国が優先的に支える住民税非課税世帯は、直近の厚生労働省「国民生活基礎調査」によれば約24%。実に4世帯に1世帯は非課税世帯となっています。

税は「所得の再分配」の役割があります。
これは負担能力に応じて税を徴収し、経済的に弱い方等を社会で支えようという考えです。
そんな中で、より弱い立場の方が実質的に切り捨てられることが正しいと言えるでしょうか?私は、そうは思いません。
一度、経済的に弱い立場を政治が切り捨てたら、いまは自分はその立場でないかもしれませんが、いずれ自分が切り捨てられる覚悟が必要です。

控除の引き上げは所得の多い人ほど還付額が増える性質があるので物価高対策としては目的と効果が逆になってしまいます。給付をセットでというなら理解できますが、玉木さんは給付については明確に辞めたらいいんじゃないか。とまで言っています。果たして控除額の引き上げが物価高対策として最適解と言えるのでしょうか?

ちなみに誤解がないよう言いますが、私は「103万の壁を178万円に引き上げる」という国民民主党の主張自体は肯定的です。

昨年の衆院選の時は
『取り過ぎた税金をみなさんにお返しする。』
『税金や社会保険料によって給料が上がっても手取りが増えない構造を変える』
『働き控えの原因をなくす』

というのが主張の柱であり、物価高対策ではなかった認識だったからです。

税制にお詳しい玉木さんが、分からずにこれを言っているとは思えないので、
住民税非課税世帯を支援するための方法を別途考えているのか気になります。

給付を止めたらいいと言っているので、後付けで『「国民民主党」としての給付はやりますよ。』と出てくることはないと思うんですが。。。

じゃあ、私の考えは?

私は、物価高対策と減税を切り離して考えます。

  • 消費税減税
    →物価高対策としては、今は現実的な方法でないと思っています。
    景気対策で利用しつつ、物価高で使うなら①物価高(食料品)連動の税率にするか、②税の改正ルールを変えるべきだと思います。
     
  • 控除額引き上げ
    →物価高対策ではなく、国民民主党が昨年の衆院選の時に掲げていた、『取り過ぎた税をお返しする』、『働き控えの解消』を目的として、来年から目標でやればいいと考えます。
     
  • 給付
    →物価高対策として、最も最短はこちらだと考えます。かつ、実施の際は公金受取口座を利用すること。
    これを掲げて例えば11月末までに登録された口座に12月中旬までに振り込むなどで対応すればいいと考えます。
    公金受取口座の仕組みを作ったのであれば、それをいち早く使える形にすることで今後の給付の際にも迅速な対応ができます。また以前に芦屋市長の高島さんのXのポストでもあったとおり、この業務自治体に追わせず国が独自でやるべきと考えます。
    そのうえで口座を持てない方のための対応方法を別途考えれば、それで済みます。はなから紙での給付は論外です。加えて、給付対象には所得制限を設けること。物価高対策は、所得が高い人には必要ないんです。そして、「所得が高い人」この難しい決断をすることが政治家の仕事だと思っています。
     

いずれにしても、所得の壁が本当に引き上げられるのか、今後の展開が気になります。
選挙のための道具でなく、是非とも実現して欲しいです。

みなさんは、この減税と給付についてどう思いますか?
ぜひみんなで考えていければと思います。

ではでは、それでは👋

 

参考:過去の消費税増税

◉ 【3% → 5%】(1997年4月施行)

導入決定までの経緯

1994年:自社さ連立政権誕生

1996年11月:橋本内閣、税制改革基本方針を発表

法案提出:1996年11月29日(「税制改革関連法案」)

成立:1997年3月28日

施行:1997年4月1日

📌 法案提出から施行まで:約4ヶ月
📌 政策決定含めると:約1年強程度と考えられる。


◉ 【5% → 8%】(2014年4月施行)

政治的決定

2012年6月26日:野田内閣「社会保障と税の一体改革関連法案」提出

2012年8月10日:法案成立(自公民3党合意)

実施判断(景気条項)

2013年10月:安倍首相が増税実施を正式決定

施行:2014年4月1日

📌 法案成立から施行まで:約1年8ヶ月
📌 政治決定〜実施判断〜施行まで:約2年弱程度と考えられる。


◉ 【8% → 10%】(2019年10月施行)

法案成立:2012年(※前述の一体改革法)

当初:2015年10月予定 → 二度の延期

2014年11月:第一次延期(→2017年4月)

2016年6月:第二次延期(→2019年10月)

実施判断:2018年10月(安倍首相が明言)

施行:2019年10月1日

📌 法案成立から施行まで:約7年
📌 実施判断から施行まで:約1年

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著者

中村 幸信

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