2026/3/12
こんにちは。
匝瑳市議会議員の近藤魁人です。
令和8年3月定例会において、一般質問を行い、あわせて予算決算常任委員会でも質疑をさせていただきました。

今回、特に取り上げたテーマは、
令和8年度当初予算と財政運営
消防庁舎の建て替え
国保匝瑳市民病院の経営と新病院整備
難病療養者支援や住宅リフォーム補助など、市民生活に近い事業の見直し
といった内容です。
匝瑳市は今年、市政施行20周年という節目を迎えます。
一方でその中身を見ていくと、今は単なる節目というより、かなり大きな転換点にあると感じています。
病院、消防、ごみ処理、産業用地、脱炭素。
未来のために必要な事業が並んでいる一方で、財政は決して余裕があるわけではない。
だからこそ今回は、
「何を削るか」だけでなく、「何を守り、何に投資するか」
という視点で質問しました。
令和7年度末の財政調整基金残高は、約12億7,700万円を確保できる見込みとのことでした。
これは、厳しい財政状況の中で、職員の皆さんが積み重ねてきた努力の成果であり、その点については率直に意義あるものだと受け止めています。
ただ、だからといって安心できる状況かというと、そうではありません。
匝瑳市はこれから、
市民病院の建替整備
消防庁舎の建て替え
中継処理施設の建て替え
地域脱炭素推進事業
産業用地整備
など、大きな事業が続いていきます。
しかも、人口減少、税収の伸び悩み、人件費や物価高騰などを考えると、今後の財政環境はかなり不確実です。
今回の一般質問では、まず、
限られた財源の中で、事業の優先順位をどのような考え方で判断しているのか
を伺いました。
また、もう一点大事だと思っているのが、
歳出削減だけではなく、必要な財政投資によって地域経済や人の流れを生み、結果的に財政の好循環につなげる視点です。
例えば、
削ろう会の全国大会のように関係人口を生む取組
海岸線の魅力を活かしたサーフィン大会やスポーツイベント
産業基盤の整備
などは、単なる支出ではなく、未来への投資だと思っています。
地方都市にとって大事なのは、ただ縮こまることではなく、
守るべきところは守り、伸ばすべきところには打って出ること
だと私は考えています。
今回の予算や委員会審査を通して、事業の廃止・縮小がかなり進んでいることも改めて感じました。
財政状況が厳しいことは当然理解しています。
ただ、そこで終わってしまうと、自治体はただ痩せていくだけです。
私は委員会でも、
一度廃止・縮小した事業であっても、社会的必要性や市民ニーズ、政策効果を改めて検証したうえで、必要があれば再開や再事業化を検討する余地はあるのか
という点を伺いました。
この視点はすごく大事だと思っています。
行政改革というと、一度切ったものは戻さない、という空気になりがちです。
でも本来は、状況が変われば判断も変わるべきです。
制度は神棚に飾るものではなく、
市民の暮らしに役立つかどうかで常に見直すもの
だと思っています。
今回、特に気になったのが、匝瑳市難病療養者給付金です。
これは予算委員会でも取り上げました。
この制度については、先日、地区の消防団の集まりの際にも市民の方から声をいただきました。
実際に利用されている方にとっては、単なる給付金というより、生活を支える一部であり、精神的な支えでもあったのだと思います。
厳しい財政状況の中で見直しが必要になること自体は理解できます。
ただ、紙一枚の通知で「終わります」となることの重さは、制度を利用している方にとっては相当なものです。
私は委員会で、
なぜ令和8年度予算に計上されなかったのか
今後も何らかの形で向き合うことはできないのか
を伺いました。
財政が厳しい時ほど、
本当に弱い立場の方にどう向き合うのか
が自治体の姿勢として問われると思っています。
もう一つ、委員会で取り上げたのが住宅リフォーム補助事業です。
これも令和8年度予算には計上されていませんでした。
この制度については、市内事業者の方々や、リフォームを考えている市民の方から、私のところにも問い合わせが多くありました。
かなり関心の高い事業だったと思います。
住宅リフォーム補助は、単に「家を直す人を助ける制度」ではありません。
市内業者への発注を後押しする
地域内経済循環を生む
市民の住環境改善につながる
という意味で、経済政策でもあり生活政策でもある制度です。
特に気になっているのは、この制度がなくなることで、市内業者と市外業者で相見積もりを取った際に、市内業者が価格面で不利になりかねないことです。
その結果、地域のお金が外に流れやすくなる。
これは小さく見えて、じわじわ効いてくる問題だと思います。
そのため委員会では、
廃止の理由
市内事業者の声にどう向き合うのか
を確認しました。
続いて、消防庁舎です。
近年は災害の激甚化や救急件数の増加もあり、消防の役割はますます大きくなっています。
現在の庁舎には、施設面・機能面での不足があり、災害時の指揮機能や対策本部機能の面でも課題があるとのことでした。
そのため、新庁舎によって
災害対応能力の強化
広域応援部隊の受入れ
防災拠点としての機能強化
が図られるという説明がありました。
その必要性自体は、私も理解しています。
ただし、やはり問題は財源です。
概算事業費は、約48億3,200万円。
財源としては、令和8年度当初予算では合併特例債を活用し、その後も地方債などを活用して進めていくとのことでした。
消防は広域行政でもあり、市民の安全・安心に直結する事業です。
だからこそ私は、
今後、財政状況が厳しくなった場合、この消防庁舎建て替え事業をどのような位置付けで考えていくのか
という点も伺いました。
市民病院については、今回かなり丁寧に確認しました。
まず、令和8年1月末時点での状況として、
病床稼働率 61.8%(10月末55.9%)
入院患者数 1日あたり55.0人(10月末53.6人)
外来患者数 1日あたり279.9人(10月末275.7人)
と、一定の改善が見られました。
医業収益も、前年同月比で5,551千円の増収とのことです。
この点については、現場の医師や病院職員の皆さんの努力の成果であり、まず敬意を表したいと思います。
答弁では、
「回復の兆しは見えているものの、依然として楽観視できない厳しい状態」
という評価でした。
これはかなり率直な答弁だと思いますし、私もその認識です。
今回、4月に常勤医師2名を確保できる予定とのことで、医師確保に向けて一定の前進が見られました。
内訳としては、
1名は自治医科大学卒業生で、これまで県に依頼していた派遣が今回初めて実現
もう1名は、現在勤務している医師のつながりから来ていただくことになった方
さらに非常勤医師として、国際医療福祉大学成田病院から1名派遣予定
とのことです。
千葉大学だけでなく、自治医科大学、国際医療福祉大学ともつながりを持ちながら医師確保に努めていることは、大変意義のあることだと思います。
地方病院の医師確保は、本当に簡単ではありません。
だからこそ、大学との連携、現場のネットワーク、いろいろな知恵を絞りながら、弾力的に進めていくことが大事だと感じています。
一方で、経営状況はかなり厳しいです。
資金残高は、12月補正で計上した経営基盤強化補助金2億4千万円を一般会計から受け入れたことで、1月末時点で1億7,500万円を確保したとのことでした。
つまり、補助がなければ資金不足に陥っていた可能性が高いということです。
ここで私が大事だと思っているのは、単に赤字か黒字かということだけではありません。
本当に重要なのは、
基準外繰入れに依存しているのか、それとも基準内繰入れの範囲で経営が成り立っているのか
という点です。
今回の答弁では、まだ
医業収益と基準内繰入れをベースとする健全な財務基盤は確立できていない
ということが明確になりました。
ですので私は、令和8年度においては、できる限り
基準内繰入れの範囲で経営が成り立つよう取り組んでほしい
という思いもお伝えしました。
新病院については、基本設計が完了したとのことでした。
今後のスケジュールは、
実施設計完了 令和9年3月
建設工事完了 令和11年1月
開業予定 令和11年4月
とのことです。
総事業費は、9,609,194千円(約96億円)。
内訳としては、
調査費等 約1.4億円
用地取得費 3億円
建設工事費 約77億円
実施設計 1.58億円
医療機器等 5.4億円
医療情報システム 3億円
既存施設解体費 3.5億円
などが示されました。
かなり大きな事業です。
しかも、基本構想段階と比べると、建設費は約20億円程度増加しています。
その理由としては、
全国的な建設単価の上昇
建築費指数を踏まえた試算
想定より地盤が弱く、基礎工事や地盤改良費が増えたこと
などが挙げられていました。
一方で、延床面積を7800㎡から7400㎡に縮小し、エレベーターも4機から3機に見直すなど、コスト抑制の工夫もしているとのことでした。
ここは理解できる部分もあります。
ただ、それでもなお、市民の税金を原資とする事業として、この増額は非常に重いと思っています。
新病院整備は、地域医療を守るうえで重要な事業です。
ここは大前提です。
ただし同時に、
消防庁舎建設
その他の大規模事業
合併特例債の上限
今後の財政状況
も見ていかなければいけません。
答弁では、国・県補助金や合併特例債等を活用し、短期に財政負担が集中しないよう配慮しながら進める、という説明でした。
そのうえで私は、
建設費の上昇や本市の財政状況を踏まえ、今後の新病院整備事業の進行についてどのように判断していくのか
を伺いました。
病院は大事。
消防も大事。
市民生活も大事。
だからこそ、単に「必要だから進める」ではなく、
どう判断し、どう責任を取っていくのか
が問われていると思います。
今回の一般質問と委員会審査を通して、改めて感じたのは、
匝瑳市は今、かなり難しい局面に立っているということです。
必要なものは多い。
でも財源には限りがある。
だからこそ、
何を守るのか
何を削るのか
何に投資するのか
そして、その判断をどう説明するのか
ここが非常に大事になってきます。
私はこれからも、
ただ反対するための反対でもなく、
ただ追認するだけでもなく、
市民目線で、一つひとつの政策を丁寧に見ていきたいと思います。
引き続き、現場の声を大切にしながら取り組んでまいります。
近藤魁人 拝
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