2026/7/23
7月22日、下関市と山口県飲食業生活衛生同業組合下関支部が、創業支援カフェKARASTA.内で「グルスタ」の運用を開始しました。グルメの『スタート』『スタジオ』『ステーション』を組み合わせた造語で、飲食業に特化した起業支援プログラムです。7月27日にはオープニングイベントも予定されており、市としても力を入れているようです。
記者発表(グルスタ)https://www.city.shimonoseki.lg.jp/site/kisya/160108.html
具体的な内容は次の3つです。
業界団体が持つ現場ノウハウを起業家に届けるという発想は理にかなっています。準備不足のまま開業して早期閉店するケースを減らす効果は期待できるでしょう。
ただ、一つ問いを立てたいと思います。この支援は、下関の飲食業が抱える本質的な問題に届いているでしょうか。
私の知人にも、下関で飲食店を営んでいる方がいます。腕も志もある方ですが、「お客さんがほとんど来ない」という理由で、いまは店を閉めています。
下関市内の飲食業の廃業予定率は約26%と言われており、2027年8月末に閉店が決まった大丸下関店の影響も今後さらに地域経済を圧迫することが予想されます。
さらに安岡地区では、地域住民の生活を長年支えてきたスーパーのアルク安岡店が今年8月末に閉店予定です。大型商業施設が相次いで撤退するなかで起きているこうした現実が示しているのは、「開業の仕方がわからない」という問題ではありません。下関という街の消費需要そのものが縮んでいるという構造的な問題です。
「新しく開業させること」と「地域の飲食業を守ること」は、同じではありません。パイが縮んでいる市場に新たな飲食店を増やすだけでは、既存店との共倒れを招くリスクがあります。グルスタが真に機能するためには、下関の消費需要そのものを回復させる施策が同時に必要です。
飲食業の経営を圧迫する要因として、消費税の構造にも触れておきたいと思います。
現在、「食料品の消費税をゼロにすべき」という議論があります。一見、飲食業には追い風のように聞こえるかもしれません。しかし実態はそうではありません。
現行の仕組みでは、飲食店は食材を仕入れる際に支払った消費税(仕入税額)を、お客様から受け取る消費税から差し引いて納税します(仕入税額控除)。もし食料品の消費税がゼロになれば、仕入れ時に払う消費税もゼロになる——つまり、控除できる金額もゼロになります。その一方で、外食にかかる消費税(10%)はそのまま残るとすれば、飲食店が納める消費税は実質的に増えることになります。
しかも生鮮食料品の価格は市場の相場で動くため、消費税がゼロになっても仕入れ価格が必ずしも8%下がるわけではありません。コスト削減効果は不確実なのに、税負担だけは確実に増える——開業支援をしても、税制の構造がこのままでは足元から崩れていきます。
正直に申し上げます。消費税の仕組みを変えることも、人口減少を一気に止めることも、地方自治体の力だけではできません。消費税は国の専権事項であり、市議会がどれだけ声を上げても直接動かせるものではない——それが現実です。
それでも私がこうして情報を発信し続けるのは、問題の本質を皆さんと共有したいからです。「なぜ飲食店が減るのか」「なぜ支援しても廃業が止まらないのか」——この問いを一緒に考えてくれる市民が増えることが、政治を動かす最初の一歩だと信じています。
グルスタについては、相談件数・開業後の継続率・雇用創出数といった実績データを市が公開し、PDCAを回していくことが重要なのではと考えております。
地域の飲食業を守ることは、下関の食文化と雇用を守ることです。ぜひご意見をお聞かせください。
大丸下関店閉店、駅前はこれからどうなる?希望への道筋 https://go2senkyo.com/seijika/185443/posts/1432594
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シライシ ソウ/51歳/男
ホーム>政党・政治家>白石 そう (シライシ ソウ)>下関市の飲食業起業支援「グルスタ」——今、本当に必要な支援とは何か