2026/1/26
子どもの貧困は「減っている」のではなく、「見えにくくなっている」だけかもしれない
先週1月19日、名古屋・栄の中日ビルで
「あすのば 子どもの貧困対策 東海北陸フォーラム」が開催されました。
2023年11月から全国で続いてきたフォーラムの最終回です。
報告されるデータの数字の上では「改善している」と語られることもある子どもの貧困。
本当に改善しているのか。現場のそれぞれの視点で語られるとても貴重な内容でした。
以下、長いですが私のメモ的に
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■ 基調講演:田村憲久 衆議院議員(超党派・子どもの貧困対策推進議員連盟 会長)
2013年「子どもの貧困対策推進法」成立時の厚生労働大臣であり、昨年の「子どもの貧困解消法」への改正にも尽力されてきた田村議員。
ひとり親家庭は、働いているのに貧困。これは個人の努力の問題ではなく、社会の構造がおかしい。
(国を変えなきゃ。国で正すべき課題)
養育費の受領率の低さ、
正規・非正規という働き方の分断、
住宅と就労が切り離された支援制度。
「対策」ではなく「解消」を目指すために、切れ目のない支援、きめ細かな支援が必要だという言葉が、重く響きました。
また、
・今困っている子どもへの支援を明確に
・子どもの権利条約の理念を位置づけ
・大学進学をあきらめさせない仕組み
・民間団体を支えることを法律に明記
など改正の背景が丁寧に語られました。
■ データが示す現実 三菱UFJリサーチ&コンサルティング 喜多下悠貴さん
あすのば給付金受給者6,000人調査。
東海北陸では518人の声が集められています。
・学校が居場所になっていない
・働いても苦しさが続く家庭
・進学したい気持ちがあっても、選択肢が狭められている
・家族みんなの生活が、少しでも楽になる仕組みを求めている
「相対的貧困率が下がっている」という数字の裏には、高齢者世帯の増加による“見えにくさ”があることを聞いて納得。
データって怖い。
■ パネルディスカッション:現場からの声
◉ 石川県・能登町
木村 聡さん(能登高校魅力化プロジェクト)
震災後、小学校が避難所となり、子どもたちが体を動かしたり遊んだりする場所が失われた現実。
2年ほど経ってから、子どもたちが荒れてくる。
心のケアは時間差で必要になる。
「子どもが本当に真ん中になっているのか」
自治体への準備や課題。これからの対応について教えていただきました。
◉ 桑名市
特定非営活動法人 太陽の家 対馬あさみさん
太陽の家が向き合っているのは、主に10代の子ども・若者たち。
どんなに良い制度や支援があっても、つながれなければ、ないのと同じ。
制度はあっても、情報が届かない。
届いても、信頼できる大人がいなければ、つながれない。
だからこそ太陽の家は、「まずつながる」ための入り口設計として活動。
しかし、そこで浮かび上がる大きな課題はつながる先がないこと。
高校生年代から若者期にかけては、公的支援が急激に薄くなる時期。
支援が必要なのに、制度が追いつかない。
その隙間を、民間が必死に埋めている現実があります。
行政に対しては、
「課題を一緒に考えるパートナーであってほしい」という率直な思いも語られました。
現場を知る人のノウハウをいただきながら,対応できる制度を作っていくことをまず。
私の取り組みへの課題をいただきました。
◉ 社会的養育総合支援センター 一陽 橋本達昌さん
困った子になっているのは、困っているときに手を差し伸べなかったから。
施設退所後、半数が行方不明になるという厳しい現実。
「早く出会い、長く付き合う」支援の重要性が語られました。
できるだけ早く子どもたちと出会い,できるだけ地域で家庭的な環境で長く付き合いたい。
地域とは場所ではなく、「一人の子どものために動こうとする人たちのつながり」のことと教えてくれました。
一陽さんは、どんな人たちをどんどん増やしてどんどん繋ぐ役割の大切さを活動を通じて教えてくださいました。
◉ こどもNPO 山田恭平さん
「参加する権利」を大切にした活動とまちづくりにおいてNPOの役割を話されました。
子どもが言葉にできない思いを受け取れる大人の存在の大切さ。
「放置」と「ことなかれ」は、負の連鎖を生む。
居場所作りや子どもの声を聴く場所を。
事業が終わった後も、結局はボランティアが子どもたちを見続けている現実。
支援をする側される側、どちらにおいても先を見越した制度設計の必要性が語られました。
◉ 岐阜キッズな支援室 若岡ます美さん
官民連携による学習支援、こども宅食、奨学金、若者支援。
子どもだけでなく、親への支援も含めた取り組み。
他機関連携の仕組みをとても上手に作っておられ、
行政との連携・委託・共同によって、支援を重ねていく実践が紹介されました。
その中でも切れ目のない支援を行なっていくことの大切さを教えていただきました。
そのためには子どもだけでなく親の支援。地域理解や関係者の連携が必要。
「子どもの貧困は減っている」と言い切ってしまう前に。
声を上げられない子どもたちの存在を、私たちはどれだけ想像できているのかなと感じました。
その声がある限り、現場はよくなっていない。
それでも、
本気で向き合い、支え続けている人たちがいることで、その声を聞かせていただける。
貴重な声を制度や政策につなげていくことが、私たちの役割だと感じました。
このフォーラムでの学びを、「聞いて終わり」にしない。
頂いた出逢いや感動と学びを糧にして、これからも、考え、動き続けていきたいと思いました。




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