2026/6/6
「ブルガリアンスクワットが日本を救う──"バズーカ岡田"直伝、50歳の登山向け筋トレ」では、下半身の種目を中心に解説したが、重いザックを背負って登りきるには上半身の強さも欠かせない。
今回はその背中と体幹の鍛え方について触れてみたい。
食料や防寒具に加えて、アイゼン、ピッケルを加えると、残雪期の北アルプスではザックは一気に重くなる。実際に歩いて痛感したのは、登山は脚力だけではないということだ。
急登で身体を支え続ける背中、ザックの重量を受け止める体幹――50代の登山では、むしろ上半身の筋力が後半の粘りを左右する。
重いザックを背負って長時間歩き続けると、肩が前に倒れ、背中が丸まり、呼吸が浅くなる。そうなると、一歩一歩が不安定になる。登山で必要になるのが「ザックを支える筋肉」だ。
ザックは肩で背負うのではない。腰で背負う。
登山用ザックは、荷重を骨盤に落とすように設計されている。重量の重い荷物はザックの下に、そして背中に沿わせて入れるのが基本だ。
腰に重量を乗せれば終わりではない。その重力を支えているのが脊柱起立筋だ。ここが弱いと、ザックの重さに負けて姿勢が前に倒れる。逆に、脊柱起立筋が強いと、急登でも下りでも身体が安定する。

常念岳を臨んで
デッドリフトで重要なのは、重いウェイトを上げることではない。岡田先生から指導されたのは、オーバーハンドグリップ、狭いスタンス、そして脊柱起立筋に効かせる感覚だった。
下半身のトレーニングだと思ってやっていたデッドリフトだが、今は体幹と背面を鍛える種目だと捉えている。
このやり方に切り替えると、脊柱起立筋だけではなく、広背筋や僧帽筋まで刺激が一気に入ってくる。高重量を追わなくても、フォーム次第で刺激は全く変わる。
このやり方に切り替えると、脊柱起立筋だけではなく、広背筋や僧帽筋まで刺激が一気に入ってくる。高重量を追わなくても、フォーム次第で刺激は全く変わる。
デッドリフトも他の種目も、重量やレップ数は固定しない。その日の体調と、その後数日の日程を見ながら、どこまで追い込むかを判断する。
大切なのは、回数よりも「効いているかどうか」だ。
デッドリフトで背中を意識した後に、岡田先生から言われたのが「筋トレはバランス(前面と背面)」ということだった。
背中ばかり強くしても、前後のバランスが崩れれば体幹は安定しない。腹筋が弱いと、腰に負担が集中する。
腹筋は回復が早く、毎日刺激を入れやすい筋肉なので、家トレに向いている。ただ、仕事を終えて帰宅した後に本格的な家トレをやるのは正直しんどい。「ニュースを見ながらでもやる」に切り替えた。
まずはプランク。余裕があればクランチ。さらに余裕があればバイシクルクランチ。テレビを見ながら、腹筋に効かせる感覚だけは失わない。
完璧主義は長く続かない。ゼロより続ける方が重要だ。
北アルプスに登ると、大なり小なり鎖場に遭遇する。以前は鎖場で必要なのは「腕力」だと思っていたが、登山のベテランに指摘されて気が付いた。重要なのは、自分の身体を引き付ける背中だ。
広背筋と僧帽筋を鍛えるのに最も有効なのがラットプルダウンだ。動画を見ると、腕ではなく背中で引く感覚がよく分かる。
私は以前、ラットプルダウンを「上から下に引く」イメージでやっていた。岡田先生の指導でフォームを変えた。背中を反らせ、胸にバーを引き付ける。腕ではなく背中に効かせる。反動をつけているように見えるが、それでいい。
幅の狭いアタッチメントを使うと、広背筋の下部にまで刺激が入る。同じラットプルダウンでも、効かせる筋肉の違いがよく分かる。
鎖場では、背中だけでなく肩や腕の筋力も役に立つ。サイドレイズなどは、登山においては主役ではないが、最後の“保険”となる。ケーブルの種目などは、最後の一捻りで刺激が全く変わる。
登山にベンチプレスは必要ない。鎖場で必要なのは押す力ではなく、引き付ける力だ。押そうとすると、落ちる💦
だが、それでも私はベンチプレスをやる。理由は単純。男のロマンだ。
登山を始めて私の筋トレは合目的的になった。だが、筋トレは合理性だけでは続かない。日常のトレーニングでは重量は負わない。ただ、二カ月に一度くらいのペースで、100㎏のバーベルに挑戦する。
50代になると、筋力は意識しなければ落ちていく。何もしなければ、山に登る能力も下り坂。
だから鍛える。
どうせ鍛えるなら、少しロマンがあった方がいい💪
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ホーム>政党・政治家>細野 豪志 (ホソノ ゴウシ)>ザックを背負って登る筋力は、こう作る──"バズーカ岡田"直伝、50歳の登山筋トレ【背中・体幹編】