2026/6/3
「順調」——今国会を見て、多くの人はそう感じているだろう。
補正予算は出口が見え、国家情報会議設置法も成立した。わが国のインテリジェンスの司令塔となる「国家情報局」は年内にスタートする。衆議院選挙で大勝した自民党は、順調に歩を進めているように見える。
だが、政治は往々にして「順調に見える時」が一番危うい。
7月17日の会期末から逆算すると、終盤国会には政権の体力を一気に削りかねない難題が潜んでいる。一つひとつが重い。
私には、目の前に3000メートル級の山が四つそびえ立っているように見える。北アルプスと同様、天候を読み、優先順位を決め、撤退ラインを見極めながら進まなければならない。
第一は、食料品の消費税減税だ。今国会に提出される法案ではないが、方向性は決める期限が迫っている。
来年4月から税率を1%に引き下げる案が軸になりそうだ。レジ改修に半年程度という見通しが立ったことで、現実味が一気に増した。
これまで、給付付き税額控除については各党間で議論が積み上がってきた。しかし、その「つなぎ」とされてきた消費税減税についての議論はこれからが本番だ。
第二、第三の難題は、衆議院の定数削減と副首都構想だ。
両者は自民・維新の連立合意の中核テーマだが、自民党内の議論が煮詰まっているとは言い難い。
定数削減は、各党の存亡に直結するテーマだ。副首都構想も、大阪を基盤とする維新にとっては党の根幹にかかわる。霞が関機能の分散や国家危機管理とも結びつくため、単なる地方分権論では終わらない。
第四は、皇室典範改正だ。
中道改革連合の笠浩史議員の尽力によって、衆議院野党第一党の理解は前進した。しかし、旧宮家の男子養子縁組と女性宮家創設を含む改正案を、実際に国会提出し成立まで持ち込むのは容易ではない。
皇室典範は、わが国において「憲法に準ずる存在」だ。だからこそ、戦後初となる改正議論は、静かな環境で行われなければならない。
私自身が優先順位をつけるなら、何よりもまず皇室典範改正だ。
悠仁親王殿下、愛子内親王殿下、佳子内親王殿下という若い皇族方の世代に入っている以上、これは「先送りしていい問題」ではない。
終盤国会では、高市総理に重い決断を迫る場面も増えていくだろう。そして、その決断の先に、次の時代の日本がある。
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