2026/3/16
参議院で予算委員会の審議が始まった。主要な議題は、イラン戦争を受けた石油価格高騰への対応と自衛隊派遣だ。
高市総理は、機雷除去、ホルムズ海峡を通るタンカー防護、そして他国との協力について政府内で協議していると答弁した。週末には政府を挙げた検討が行われた模様だ。ホルムズ海峡の状況はさらに深刻さを増している。
米国にも国際社会にも、事態の沈静化を働きかけるのは当然だ。しかし、それが実現しなかった場合を想定して準備を進めるのも国家の責任だ。19日の日米首脳会談を前に、高市総理には万全の準備をしてもらいたい。
焦点は、自衛隊を派遣するとしたら、どのような法的枠組みで行うかだ。
警察権の行使の一環である海上警備行動は、国家もしくは国家に準ずる主体に対して行使することはできない。また自衛隊の武器使用も、正当防衛・緊急避難の範囲に限定される。
そのため、現在のホルムズ海峡のように軍事衝突の可能性がある海域への派遣は現実的ではない。
仮に、重要影響事態を認定したとしても、自衛隊の任務は後方支援にとどまる。戦闘の可能性がある海域での機雷掃海は困難であり、攻撃を受ける可能性のあるタンカーの護衛もできない。
わが国には軍法が存在せず、軍事裁判もない。戦地において万が一違法行為があれば、日本の通常の裁判所、場合によっては現地の司法で裁かれることになる。
武器使用の合法性が問われる状況は、自衛官にとって大きなリスクとなる。
存立危機事態を認定すれば自衛隊の活動の自由度は格段に上がるが、その判断には慎重にも慎重を期さなければならない。国民の理解も必要だ。週末、地元の座談会で支援者の皆さんの意見を聞いたが、ほとんどの人が自衛隊派遣には慎重だった。
予算委員会では、小泉進次郎防衛大臣が自衛官の安全について何度も答弁していたが、自衛隊を統括する立場として当然の姿勢だと思う。
問題は今後、湾岸の事態がさらにエスカレートし、日本への石油供給が途絶した場合だ。仮にそうなれば、物価の急騰にとどまらず、エネルギー不足により国民の生命と生活に甚大な影響が及ぶ可能性がある。
そうした事態が生じた場合に、「日本の存立が脅かされ、国民の権利が根底から覆される明白な危険」があると認定する余地があるのかどうか。最悪の事態を回避する努力と、最悪を想定した準備は矛盾しない。
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ホーム>政党・政治家>細野 豪志 (ホソノ ゴウシ)>戦時のホルムズ海峡に自衛隊は行けるのか――法制度の現実